眠り姫の覚醒(めざ)め、それは――

 解答を得られるようなカタルシスを求めるのは無粋だろう。
 問い、そのものが答え。

 これは、選択の物語なのだから。

 どちらの世界にも存在する、自由と束縛、抑圧の中、ラスト突き付けられるオルタナティブ。
 不思議な世界観と相まって、提示される彼女の選択は果たして望む第三の新世界となるのか。
 自らの意志と責任で掴み取る世界をこそ、我々読者にも提示してくるのではないだろうか。

 そう、めざめのキスは、いらないのだ。

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