ちっちゃな君と恋して戦う、喜怒哀楽が詰まった青春日帰りファンタジー!

まさしく文字通り「地球と異世界を行ったり来たり」の日帰りファンタジー作品でした。
「異世界転移手段を得た主人公が無双する」という大枠は、なるほど近年のWeb小説界隈でお馴染みの基本設定です。
ただし一方で、このお話では「地球人と異世界人が巨人と小人ほども体格が異なる」という要素を採用し、他作品との差別化を図っていますね。

また、実際に物語の根幹を成しているのは、異世界ファンタジー的な設定自体よりも、むしろ主人公がヒロインとの交流を通じて精神的に成長していくプロセスを描いた「青春恋愛小説」としての部分ではないかと。
ぶっちゃけて言うと、個人的には異世界での無双バトルも冒険もあくまで本質を覆う外装といった印象を受けました。

しかし、現実世界で葛藤を抱えていた主人公が、ストーリー進行と共に自分の内面と向き合い、着実に変化していく有様は、途中の丁寧な心理描写も相俟って、読了時に普遍的な清々しさを喚起させてくれます。爽やかなラストシーンも余韻たっぷり。
2万字とは思えない充実のジュヴナイルファンタジー、楽しく笑って、少しほろ苦くて、最後にじんわり感動したい方は是非!

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