だって、それだけで強いもんね!
この作品の魅力は、サイズ感だろう。
巨人(一般人)という無理なく納得させられるチート。
小さくて可愛い姫。
徐々に距離が狭められていく2人のサイズ差。
恋の障壁は、大きければ大きいほどいい・・・・・・いや、かなめクンちょっと大きすぎやしませんかね・・・・・・
本来、倍くらい、いや、4倍の文字数くらいあってもおかしくはない内容を短編、日帰りというミニマムさにダウンサイジングして、仕上げてくれているのだ。
キャラクターが望み、読者に望まれた形。
これぞ異世界、これぞテンプレート、やはりボクは王道を往く。
その踏み出した一歩の先に、カタルシスを見よ。
あるきっかけから、引きこもりになってしまった男子高校生、かなめ。
そんな彼は、ある日小人の異世界『ドワフリア』を救うために召喚され、その国の王女カルロッテと出会う。やがて二人は、ドワフリアを魔王の手から守るために共に戦う同志となり、絆を深めていく。
——こう書くといかにも王道的異世界ファンタジーですが、実は…半日は異世界でかなめが巨人パワー全開に戦い、残りの半日は好奇心旺盛なカルロッテと共に地球で過ごす。そんな愛らしい日帰り異世界ファンタジーなのです。
巨人として驚異的な力で魔王軍と戦うかなめの戦闘シーンは、ドロドロせずスカッとした描写で描かれます。悩まず迷わず小さな敵を打ちのめしていく爽快感は独特で、どこかコミカルな楽しさに満ちています。
そして、王女カルロッテの愛らしさと、少しずつかなめと近づいていく微妙な心の距離感は、思わず胸をきゅんと掴まれる切なさがいっぱい。サイズの違うこの二人がどうなるのか、本気で応援せずにはいられません。
そして最後に訪れる、爽やかで微笑ましいラスト。おもわず拍手を送りたくなる、素敵なエンディングも印象的です。
クスッと笑えてふんわり優しい気持ちになれる、コミカルで愛らしい異世界ファンタジー。ぜひ味わってみてください。
日帰りファンタジーコンテスト参加作品ということと、以前より追いかけさせていただいていた書き手が、いったいどのような物語を描かれたのか、興味津々で拝読いたいしました。
結論から申し上げれば、読了後に「エクセレントッ!」と快哉の声を思わず叫んだ。と言うことです。
わずか二万字弱の物語でありながら、伏線がラストで読み手に心地よい涙を流させたり、主人公の心理描写を上手く表現したりと、短編のお手本のような作品です。
何より、設定がアッと驚きます。その設定を見事に上質な物語に仕上げる構成力に筆力は、流石です。
より多くのかたにお目通しいただきたい、珠玉のファンタジーがここに誕生しました。
もはやこの書き手様の筆力を疑う余地などないのですが、それでも「よく二万字にまとめたなあ」と快哉を上げずにいられません。
ご本人も「大幅削減した」と苦労話を漏らしていますが、物語は加筆するよりも削る方がはるかに難しいものです。要所だけかいつまんでコンパクトにまとめるのは技量がいります。下手こくとダイジェストやプロットを読まされてる気分になってしまう所を、きっちりお話として仕上げつつ、短編としてのオーダーも厳守する……なかなか出来ることではありません。
コンセプトも良いです。普通の人間が異世界に招かれて無双するなんて掃いて捨てるほど存在しますが、本当に「ごく普通の人間(むしろちょっと貧弱)」が、一切のチート能力もないのに無敵を誇るなんて、初めて見ました。
大概は何らかの魔法能力を授かるじゃないですか。
でも、本作は何のチートもなし。ガチ一般人。
でも強い。
これこそ「ごく普通の高校生が俺ツエエエする」の究極形ですよね。
本当に「普通のまま」なんですから。
こうした斬新さも、非常に高評価です。
まさしく文字通り「地球と異世界を行ったり来たり」の日帰りファンタジー作品でした。
「異世界転移手段を得た主人公が無双する」という大枠は、なるほど近年のWeb小説界隈でお馴染みの基本設定です。
ただし一方で、このお話では「地球人と異世界人が巨人と小人ほども体格が異なる」という要素を採用し、他作品との差別化を図っていますね。
また、実際に物語の根幹を成しているのは、異世界ファンタジー的な設定自体よりも、むしろ主人公がヒロインとの交流を通じて精神的に成長していくプロセスを描いた「青春恋愛小説」としての部分ではないかと。
ぶっちゃけて言うと、個人的には異世界での無双バトルも冒険もあくまで本質を覆う外装といった印象を受けました。
しかし、現実世界で葛藤を抱えていた主人公が、ストーリー進行と共に自分の内面と向き合い、着実に変化していく有様は、途中の丁寧な心理描写も相俟って、読了時に普遍的な清々しさを喚起させてくれます。爽やかなラストシーンも余韻たっぷり。
2万字とは思えない充実のジュヴナイルファンタジー、楽しく笑って、少しほろ苦くて、最後にじんわり感動したい方は是非!
2万文字に収められた世界で、主人公の俺は縦横無尽に駆け巡ります。そう、まさにチート無双!
異世界に詳しくない私は、まず「チート」「無双」をググります。。なるほど、最強な訳ですね。
最強のわけとは、ガリバー並みのサイズ感! 異世界の悪者は全員小人です。
もちろん異世界ではのびのび?敵をやっつけながら、カルロッテという小さなお姫様にも慕われ、意気揚々と第二の人生を謳歌します。
でも、、裏テーマを知った時、心がギュッと締めつけられる気持ちになりました。
作者さんが仕掛けた幾つもの伏線、二人で飛び越えた世界も、おひとり様みたいなデートも、最後にあたたかなメッセージとなって読者の心に溶けていきます。
信頼の筆力、散りばめられたギャグ、心の成長。
主人公たちと一緒に旅してみませんか。異世界へ。
目の前に、突然三十階建てビルの大きさの巨人が現れて暴れ回ったらどうします?
巨人にしてみれば針よりも小さな剣を振り回したくらいでは到底歯が立ちませんよね?
コロポックルの異世界で、そんな無双の巨人になってしまったのが、本作の主人公かなめ君です。
彼にかかれば、魔王討伐だって実にイージー。
けれども、そんな彼でも異世界で難しい問題に直面します。
たとえ好きな女の子と心が通いあったとしても、肩を寄せ合うことすらできないんです。
なぜなら、相手は小指のさきほどの大きさしかない女の子だから──。
小さな彼女が現実世界で彼にとっての大きな一歩を踏み出させてくれた。
けれどもそんな小さな彼女と恋をすることは叶わないのか。
かなめの出した結論とは。
行動的なお姫さまカルロッテはどう動くのか。
ガリバー君とコロポックル姫の楽しくてほっこりするラブコメです(*^_^*)