楽譜になぞらえ整えられた四行八つの文章

 音楽の事は詳しくないのですが、八小節だと音符はひとつの枠に四つ入るのでしょうか?

 本作は八つの小説を小節になぞらえ、センテンスを音符にひっかけて、各話四行で書かれています。

 流れるような心象描写のみで語られる女性のことばは楽譜のよう。そして読み始めると、軽やかで悲し気な曲が読む者の心に流れます。

 たった千文字、八小節の音楽に、ひとりの女性の人生が編みこまれている。ここにひとつの完成された奇蹟の世界がありました。

その他のおすすめレビュー

雲江斬太さんの他のおすすめレビュー441