無垢な炎が、彼らの時間を照らしだす

 女子高生の淡い恋と、小さな奇跡を描いた作品です。
 まず、千華が可愛い。四年分のひたむきな想いが可愛らしくも切なく、まさしく一途。大輝が惚れるのもわかります。君の目は正しい。君もいい奴だけど。清も、彼女のこのまっすぐなところに惹かれたんでしょう、きっと。

 また、二人の回想の中でのことが物語に上手く活かされ、雰囲気を形作ってましたのもいいな、と思いました。こういう、風習が核になる作品は好きです。

 冗長な場面も難しい表現もなく、シンプル。けれど不足はない。小説の初心者でもさくっと読める作品だと思います。