カクヨム・ヒーロータイム!!

できれば、小説リストの末尾にこっそりと掲載したかった

自主企画『カクヨム一周年企画』参加作品(2017年3月公開)

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相良壱さんの『カクヨム一周年企画』にのりました。


…が、勢いだけで書きました。

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☆プロローグ 暴走システム・カクヨーム誕生!!☆


西暦20XX年──



 日本のえらいひとたちは電子書籍の管理、閲覧、その他もろもろをカクヨームというシステムに統合し、国民の生活にカクヨームはなくてはならないものとなっていた。



 ところが、そんな膨大なデータをもつカクヨームシステムの一部にバグが発生し、カクヨームそのものが知能を持ち、意思を持った。



 ある日突然、カクヨームに格納されている全ての電子書籍にアクセス不可能となり、大混乱に陥った日本社会をカクヨームの創り出した怪人たちが次々と襲いかかった。



 そんな日本の危機を救うべく、カクヨームの管理システム領域にアクセスできるという特殊能力を持った熱き若者たちが立ち上がった。



 そう。


 彼らこそが【運営戦隊ウンエイジャー】なのである!


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☆第1話 ウンエイジャー、集結!☆




 自らが意思を持ち、日本の全てのコンピュータシステムを支配しようと企む暴走システム・カクヨーム。


 彼がまず手始めに社会に放ったのは、怪人・ホシバックだった。



 カクヨームへの管理アクセス権を持つ男女二人が、図書カード型の変身アイテムを使って変身する。



「書籍化めざせ!ウンエイブルー!」


「なろうに負けない!ウンエイイエロー!」



 お約束の名乗りが決まったのはいいが、実戦経験の浅い二人はホシバックの星型爆弾攻撃を前に苦戦を強いられていた。



 そこにバイクに乗った赤いライダースジャケットの青年が颯爽と登場する。



「何よ!あなた!危険だから下がっていなさい!」



 ツンデレキャラのイエローを前に、青年は「お前達だけじゃこいつには勝てない」と言い放ち、やおら図書カードをポケットから取り出した。



「なにっ!? お前もそれを持っているのかっ」



 驚くブルーの前で、青年は赤いピチピチの戦隊スーツに変身した!



「荒くれ者には制裁を! ウンエイレッド!」


 赤い爆煙をバックにポーズを決めると、ブルーとイエローが苦戦していたホシバックをいとも簡単にBANした。



「こいつ…強い!!」



 しかし、三人の目の前で、消えたはずのホシバックが巨大化する。



「よし! こんなときのために開発されたロボに乗るぞ!」



 赤、青、黄の超合金ロボに乗り込んだ三人が気合でロボを合体させる。



「合体! ウンエイオー!」



 ウンエイオーの武器である剣から放たれるツウホウバーニングという得意技で、巨大化されたホシバックは今度こそ爆発し、塵と消えたのであった。


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☆第18話 金と銀の戦士、登場!☆


 暴走システム・カクヨームから日本を救うべく日々戦う【運営戦隊ウンエイジャー】。



 だが、今回の怪人・レビュバックには苦戦を強いられていた。



「くうっ! こいつ、ちゃんと読んでいるのかいないのか、判別が難しいわ!」


「他人のレビューを切り貼りしてつなげてごまかしているだけだ!惑わされるな、イエロー!」



 傷だらけの三人の前に、金と銀の全身スーツを着た二人が立ちはだかる。



「なんだ、こいつらは!?


 敵なのか? 味方なのか?」



 地面を這いつくばった三人の前で、金と銀の戦士は不敵な笑いを浮かべた。



「やれやれ。運営戦隊の名が泣くぜ。


 俺らの闘い方を見せてやんよ」



「コンテスト賞金ひゃくまんえん! ウンエイゴールド!」


「細かく改善!ウンエイシルバー!」



 追加戦士の初登場シーンだけに、名乗りの場面もド派手に爆薬を使いまくる。


 名乗りの間、律儀に攻撃の手を休めていたレビュバックは、ゴールドとシルバーに瞬殺された。



 が、当然のように巨大化するレビュバック。



 そして、当然のようにロボを呼び寄せるゴールドとシルバー。



 そして、当然のようにロボの五体合体が実現する!



「完成! グレートウンエイオー!」



 グレートウンエイオーの必殺技、次元を切り裂くセイサイフラッシュで、巨大化したレビュバックも瞬殺された。



 これで五人がそろったぞ!


 カクヨームの鎮静化へ向けて、頑張れ! ウンエイジャー!!


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☆第23話 スペシャル回! 仮面ライター参戦!☆




 今日は夏休み映画『カクヨムヒーロー大戦』の宣伝を兼ねたスペシャル回だよ!



 今回カクヨームによって送り込まれた怪人はフクアッカ。


 分身の術を得意とし、ウンエイジャーがいくら攻撃を加えても決定的なダメージを与えられずにいた。



「こんなに苦戦した相手は初めてだぜ」


 絶体絶命のウンエイジャー!



 そこに5台のバイクが轟音をあげてパラリラパラリラと突っ込んできた。



「ウンエイジャー! 助っ人に来たぜ!」


 バイクを降りて爽やかに微笑んだのは五人の青年…期を少し通り越したナイスミドル達。



「変身!」



 それぞれが腰につけたベルトにガチャッと何かを差し込むと、「ふんもふんもお♪ふんもふんもお♪」という効果音にのって彼らの全身を光が覆う。



「仮面ライター・ライチ!」


「仮面ライター・うみ!」


「仮面ライター・キャノン!」


「仮面ライター・ミズキ!」


「仮面ライター・うっしー!」



 それぞれがポーズを決めると、分身したフクアッカ相手に肉弾戦で殴り込んでいく。



 その姿に勇気づけられたウンエイジャーの五人も立ち上がり、合計十人がフクアッカと闘いまくる!


 フクアッカの分身はみるみると消えていき、最後に残った本体も、ウンエイジャーと仮面ライターの合わせ技が見事に決まって爆発したのだった。



 なお、今回は大人の事情でフクアッカは巨大化しなかったよ!


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☆第35話 お約束!パワーアップ回到来!☆




 今日も今日とて日本の社会を脅かすカクヨームの怪人たちと闘うウンエイジャー。



 クリスマス商戦に向けて、そろそろヒーロータイムのスポンサーである某玩具メーカーが新しい玩具を投入するタイミングに近づいてきた。



 そんな時期に現れる、カクヨーム傘下の中ボス、PVバック大佐。



 強い! ウンエイジャー達の武器であるツウホウブレードをもってしてもダメージを与えられない!



 そんな時に、ウンエイジャーにカクヨームへの管理アクセス権を与えた神さま的な存在であるカドカワンさまが現れて、ウンエイジャー達にパワーアップアイテムを授けた。



「これは…全国共通すし券…に見せかけたパワーアップアイテムなのか!?」



 半信半疑でウンエイレッドがすし券を空にかざし「ウンエイパワーアップ!」と叫ぶと、ピチピチの赤い全身タイツの上に金色のアーマーが装着された。



 レッドに倣い、他の四人もすし券をかざし、金色のアーマーを身につける。



 このパワーアップにより、あれほど強そうに見えたPVバック大佐も見事に蹴散らされるのであった。



 しかし、パワーアップ回はまだ終わらない。



 ここで新たなロボ投入も定石なのだ!



 巨大化したPVバック大佐に対抗するのは、五体合体にさらに追加のロボ(これが結構お高い)を加えて合体させた、グレートウンエイキングだ!



 ここまでくるともはや必殺技も横文字の長い羅列で覚えられないぜ!


 とにかくすごい技で巨大化したPVバック大佐も派手な爆発をして消えたのだった。



 ちなみに、10月に代替わりした仮面ライターの変身ベルトはクリスマス直前には品薄になるから、早めにサンタさんにお願いしておこうね!


 戦隊の追加おもちゃの方はギリギリでも充分在庫があるよ!


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☆最終回 いざ!最終決戦へ☆




 なんだかんだで一年かけてカクヨームの送り出した怪人たちを撃退してきたウンエイジャーは超優秀!



 日本国民はウンエイジャーに感謝と尊敬の念をもって彼らの闘いを応援してきた。



 だがしかし、ついに暴走システム・カクヨーム本体がウンエイジャーとの直接対決を挑んできたのだ!



 ボスキャラとの最終決戦はまさに死闘となり、全身スーツも血と泥にまみれ、最終回お約束のマスク割れもきっちりと見せたウンエイジャーの五人。



「俺たちは…まだ…終わっちゃいねぇぜ!!」



 ウンエイレッドの熱い言葉に仲間が頷き立ち上がる。



 最後にふさわしい派手な名乗りでポーズを決める五人。



「荒くれ者には制裁を!ウンエイレッド!」


「書籍化めざせ!ウンエイブルー!」


「なろうに負けない!ウンエイイエロー!」


「コンテスト賞金ひゃくまんえん! ウンエイゴールド!」


「細かく改善!ウンエイシルバー!」



 最後の五人そろっての名乗りはさらに派手に、かっこよく!



「書ける!読める!伝えられる!


 カクヨムを愛し、管理する!


【運営戦隊ウンエイジャー】!!」



 スーツアクターさんの背中の火傷を心配してしまうような火薬の量は、さすが最終回!



 そんな爆発の中を走り抜け、五人は力を合わせて最高の必殺技を繰り出した。



「いっけぇぇーーー!!!」



 五人の叫びと共に、光と化した必殺技はカクヨームの心臓部を貫き、実体化したカクヨームは光の粒子となって姿を消した。



「あっ!カクヨームにアクセスできるぞ!」


「小説が読めるようになってる!」



 ウンエイジャーの手によって正常なシステムに改変されたカクヨームは、これまでのように日本の電子書籍を統括する優秀なシステムに戻り、日本に再び平穏が訪れた。



 普通の会社員に戻り、日本国民が快適にカクヨームを利用できるように日々管理に勤しむウンエイジャーの五人。



 日本に平和が戻っても、君たちの活躍は決して忘れない。



 ありがとう! ウンエイジャー!



 ありがとう!運営さん!




(完)


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自主企画&コンテスト参加作品集 侘助ヒマリ @ohisamatohimawari

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