第7話 コード9999
喧嘩をするジイコ達に外からまたモヒカン女子が大声で報告に来た
「ジイコォ、ミツネ!大変だ、謎の鉄仮面が率いる軍団が攻めて来やがった!」
ジイコはその知らせを聞いて悪態をつく。ミツネは不敵に笑いながらジイコに言った
「またですの!?一体どうしてこう不幸が続くのかしら」
「そりゃあ偵察隊が壊滅した後だからな。敵にしてみれば絶好のチャンスだろうぜ。フッ」
「その偵察隊をぶっ潰しやがった張本人が何をほざいてやがるのかしら!」
「ガシン!メキメキ!!」
ジイコの怒りの拳が鉄格子を曲げる
「じゃあ先行くぜ。名誉挽回しないとな」
ミツネは曲がった鉄格子の間から牢屋の外に出て行ってしまった
「あ!こら、お待ちなさい!!」
ジイコがミツネに気を取られているうちに、ミキがベットを素手で解体した
「とう♪」
「バキッ」
「あー!こらぁぁ!そっちも何やってますの!?」
アヤがベットのシーツをビリビリと破きながら答えた
「ここも危ないみたいだからね、鉄格子もそんな丈夫じゃないみたいだし脱出させてもらうよ」
「はい、お姉様」
「うん、ありがとう」
アヤはミキからベットの足だったパーツを受け取り、鉄格子と鉄格子の間にシーツを巻き付け、その間にベットの足を差し込んでグルグルと回した
「ふん!」
「メキメキィ」
その力で鉄格子がメキメキと音を立てて曲がり、開いた隙間からアヤ達は外に出た。その二人の前をジイコが立ちふさがる
「あなた達・・・このわたくしがこのまま見逃すと思っていま・・・」
「ふっ!」
アヤはストローに仕込んでいた吹き矢をジイコ眉間に撃ち込んだ
「・・・・す…の」
「ドスン!」
アヤ達は大きな音を出して倒れたジイコに軽くあいさつして通り過ぎて行った
「それじゃ、ごきげんよう」
「装備品は返してもらいますわね」
アヤ達が外に出るとすでに敵に囲まれた後だった
「ヒャッハー!」
「死にさらせ―ぃ!」
襲ってくる野盗共をアヤが仕込み薙刀を素早く組み立て切り伏せた
「ザンッザン!」
「みぎゃあ!」
薙刀は淑女の嗜み。アヤは敵が崩れ落ちる前にミキと視線を合わせて合図した
「完全に包囲されているみたいだねミキ」
「そうですわねアヤお姉様、ここは戦うしかありませんわねッ」
ミキはメリケンサックを両手にはめて構えて戦闘態勢に入り前へ出る。そのかわいらしい外見に誘われて敵の一人が同じくメリケンサックをはめて寄ってくる
「ひゃは!そんな手で殴ったら手首を捻っちまうぜおチビちゃん!」
ミキの手首は曲がっており拳が若干上を向いている。拳で殴るさいは力が効率よく伝わる様に、拳と腕の骨が平行にまっすぐになる様にするのは基本中の基本。そう”拳”で殴るなら。
「せい!」
メイケンで殴る場合は当然拳ではなくメリケンサックを当てる。その殴った際に返ってくるエネルギーは握りこんだ耳と呼ばれるパーツを伝って手の平から手首へ、そして腕へと伝わる様にする。こうすればしっかり殴れるのだが・・・・
「この野郎!」
大抵の人間は拳で殴る要領で握ってしまう。そうすると手の平でうまく衝撃を上手く受け止められず、手の中でメリケンサックが抵抗の少ない親指が無い方に捻じれてしまって小指の内側に当たって痛みが走る。つまりしっかり殴れないのだ。そうとも知らずこの素人の敵はミキの攻撃に慌てふためく
「っ!なんで勢いのあるパンチを連続で打てるんだコイツ!?」
この為に喧嘩慣れした素人は当たる部分にテーピングのテープを巻いて対処している。もっと悪いのは耳の部分がジャマだと ”耳の付いているヤツは外国人用のサイズ” と勘違いし耳の無い物や小さな物を選ぶ。そのタイプだと指に打撃が伝わり指を怪我する事になる。ミキはそんなタイプを使っている敵のメリケンに自分のメリケンをぶつけて指の骨を粉砕した
「ギャア!?」
「せい、せいっせい!!」
その後素ミキは流れるように相手の肘、肩、顎と攻撃した。これらは鈍器で攻撃する際の急所!さらにこの自分から近い部位から流れるように攻撃するのはナイフの様な小回りの利く武器の基本。行き届いた淑女の嗜みである
「ぐお・・・」
崩れ落ちる敵にかける言葉は無い。武器もしっかり持てないと言う事は、テーブルマナー以前にスプーンやフォークの持ち方も分からない様な物!とうてい淑女とは呼べない、はしたない野良犬なのだ!
「さあ、ドンドン潰しますわよアヤお姉様!」
「ああ!僕たちの戦いはこれか――――……
文字数制限をむかえましてこの作品は打ち切りとなりました。
軽見歩先生の次回作にご期待ください!
聖・鬼松女学園 ~もうあの頃には戻れないの~ 軽見 歩 @karumi
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