もしも突然目の前に堕天使が現れ、「贖罪のためにあなたを幸せに導きます」と真顔で言われたら、いったいどんな表情を浮かべ、何と返答するでしょう。その前に、あなたにとって「幸せ」とはなんですか?
今作はラブコメの第一人者(私の主観)である陽野ひまわり氏が、満を持して公開された恋愛小説です。コメディ部分はやはり吹きだしてしまうほど面白いのですが、恋愛小説である以上恋愛が主になっております。
恋仇の権謀術策に振り回され、何度も危機に追い込まれます。主人公である女子大生ちえりに感情移入する読み手は、その度に手に汗を握り心臓を高鳴らせます。堕天使のリュカはちえりを救うために奔走します(これがたまにトンチンカンな行動となり、読み手は「オイオイ」とツッコミを入れたくなります)。
そんな二人を取り巻くキャラクターたちも、とても個性的で素敵なのです。
物語を相乗効果で盛り上げてくれています。
エピローグ、ここが上手い。普通の「ハッピーエンド、よかったね。シャンシャン」にしないところに、陽野ひまわり氏の力量を見出すことができると思います。
まだまだもっと多くのかたにご覧いただきたい、とっておきの恋愛物語。
ぜひこたつに潜り込んで、ひまわりワールドを堪能なさってください。
恋と笑いのハイブリッド! めくるめくラブロマンスコメディーが、あなたの赤い血潮を真っ白に塗り替える!
御作者様お得意の、物語の中に息づく皆様の心の機微が。熱い、切ない想いが胸を打ちます。
しかもそれが、一体何人分!?
複雑に絡み合い、互いに一歩も譲らぬ緊迫感を持つヘビーな人間関係絵巻は、しかし白フンとおかんによってすべて笑いに包まれていく。
…………御作者様の性分なのでしょうか? いいぞもっとやれwww
まるでジェットコースターのように、上がって下げて浮かせて沈めて。
たっぷり楽しむことが出来た数日間となりました!
素敵な恋の物語をありがとうございました♪
自慢じゃありませんが、私は昔、結構な汚部屋に住んでいました。狭い部屋に適当に物をとっ散らかしとくと、座っている所から一歩も動かずに大抵の用を済ませることができるので、大変に快適。だから、汚部屋を愛するちえりさんの気持ちはよく分かる。イケメン堕天使くんがせっせと部屋を片付けてしまうのを厭う気持ちがよく分かる…。
筋金入りのズボラ女子と家事&健康マニアの堕天使、という凸凹な組み合わせのラブコメなのですが、「めんどくさい」が口癖の主人公の面白さに惹かれて読み進めていくうちに、この物語がズボラどころか実に緻密に計算されて書かれていることに驚きます。ストーリーに起伏を出すために出てきたゲストキャラ、と思いきや、そのキャラたちが後の方でそれぞれに重大な役割を果たすキーパーソンだったり、悪役的なキャラがしんみりとしたトコを見せてくれたり…。
堕天使リュカがなぜ堕天使となったのか、というファンタジー部分には、現実社会における人間関係に起こりがちな設定が盛り込まれ、ファンタジーながらリアリティ溢れる彼の身の上に、うんうんと頷かずにはいられません。
そして、恋愛モノには必須の人間模様とどんでん返しも秀逸です。ちえりさんと堕天使リュカが遭遇する大なり小なりの事件が、実にテンポよく、しかし決して御都合主義的な展開に陥ることなく、時にはおかしく、時にはサンペンス的な緊張感をもって描かれていきます。
全てのサブキャラを存分に活用し、緻密な計算で細かな「イベント」を積み重ね、いつのまにか読み手にひとつの大きなテーマを感じ取らせながら、ストーリーを収束させていく様は、ただただお見事とひれ伏すばかりm(_ _)m軽快なタッチながら、読み応えある作品です。
ちなみに、私の一番の推しキャラはガブリエルです。どこがいいのかを語るとネタバレになってしまうので、ぜひ作品をお読みになってお確かめくださいまし。
元々ユニークな発想をされる作者さまなのです。
だけど「恋愛」だから。前作ではお笑い要素は控えめだったし。
でも今作は、思えば予告短編から飛ばしていました。
何てこと思い付くんだ。面白すぎる。これってラブコメだっけ?
一話読み終わってカテゴリーを確認。あ。やっぱり恋愛だ。主人公女の子だしな。
ちゃんと確認したのです。でも。
更新の度に「これって……」という迷いが湧いてくる。
「恋愛」の主人公が汚部屋に住んでいる変態ちっくな女の子ってあるでしょうか?
うら若い乙女が「白フン」連呼して大丈夫なんでしょうか?
ものすごく笑わされながら、切ない恋とミステリーを堪能できます。
オススメです!
『過保護な堕天使、ズボラなあたし。【本編】』
この作品のタイトルですが、内容を説明する必要がないくらいに洗練されたタイトルなのです。
本当に過保護な堕天使と、ガチでズボラな主人公の物語でした。
物語の構成は恋愛が軸となっていますが、侘び寂びのある静かな恋愛ではありません。てんやわんやに感じる展開に楽しく読み進める事が出来る作品です。
現代ファンタジーのラブコメディといったジャンルなのですが、この作品はそれだけでは納まりません。謎が沢山あるのです。
例えば堕天使は何故、天使ではなくなったのか。どうしてズボラな主人公と関わっているのか。他にも物語が進むうちにサスペンスのような展開もみせたりと読み手を飽きさせません。
ドタバタとした動きの中に恋愛感情が少しずつ芽生える描写は長編作品の良さを最大限引き出していると感じました。そして、何と言ってもエピローグの面白さが本作最大のおすすめ回です。最初から読んできたからこその感情が読み手を感動に導くでしょう。
爽快な会話に無駄のない地の文。
解かり易い設定や背景構成。
そして、何よりも作者さまの真骨頂でもある「読み手を良い意味裏切る」手法は読者を夢中にさせてくれます。
こんなにも楽しい読書時間を提供して下さった作者さまに感謝致します。
本当にありがとうございました。
ファンタジックなラブコメ&ライトミステリでありつつ、非常に強烈なパンチのある一作でした。
近年、男性向けのラブコメ系ラノベでは、美少女ヒロインのパンツを巡るイベントを軸に繰り広げられる作品がしばしば見受けられます。
いわゆる「パンツ物」とでも呼ぶべきジャンルのストーリーですね。
んで、この小説なのですが、驚くべきことにそんなトレンドを女性向けラブコメの世界まで持ち込んでしまったかのようなテイストがあります。なんと、まさかの「フンドシ物」作品なのです。正気か……。
まさしく前代未聞のジャンル的越境性なのですが、イケメンヒーローのフンドシに執着するヒロイン・ちえりの言動と妄想には抜群のパワーがありました。
そして、そんなフンドシの似合うイケメンとの恋をサポートする、もう一人の過保護なヒーローとの三角関係が何と言っても最大の見所かと。
果たして、ちえりはどちらのヒーローと恋を成就させるのか――?
尚、ただ単にイロモノな設定だけではなく、途中からはライトミステリ的なノリが強くなっていき、物語そのものもしっかり楽しめる作品になっています。
ある日、突然
目の前にイケメンが現れたら、どうします?
過保護が少々玉にキズですが、家事は万能。
イケメンです。声も良いですし、もちろん高身長。
女性なら飛びつきましょう。男性でも、ある程度は許されると思います。
何故なら、彼は堕天使で罪を償うために舞い降りたのですから!
おっと。
失礼しました。
彼・リュカは、ちえりちゃん専属の堕天使でした。
我々に出来る事は、ちえりちゃんの果てしないズボラ加減と、
ちえりちゃんの世話を焼きすぎる、リュカのズレた献身的な風景を見守るのみです。
現れる、恋のお相手。
恋のキューピッドならぬ、恋の堕天使は
あの手この手で、ちえりちゃんの恋を成就させようと奔走します。
ちえりちゃんが力説する、衝撃のセンス。
姿なき、恋のライバル登場。
待ち受ける、試練の数々を
陽野様は、引き込み上手な文章でガッチリつかみ、
美しい文字の波間に、我々読者をさらい、虜の果てに恋愛マジックを炸裂して下さいます。
全体的に、コミカルな運びですが、
恋のドキドキに加え、推理モードの部分も盛り込まれ、
バラエティー豊かな物語です。
決める所は、感動的に押さえられ、とにかくリュカの瞳や
心の移ろいを、的確に彩られた表現は感動的で素晴らしいです。
今回も、素敵な作品を届けて下さって、ありがとうございました。
過保護×ズボラの真反対さを際立たせる対比は心地よいです。
過保護な堕天使は張り切ります。
炊事洗濯家事手伝い。
挙げ句の果てには恋手伝い。
白フンの似合う(ちえりの説)逞しき君に、恋をしたなら大変だ。
恋愛なんて初めてだし、どうすればいいかわからないし。
過保護な堕天使は立ち上がる。
それは我がため人のためちえりのため。
恋の成就を手助けしつつ、ちえりを幸せにしてみせる。
そうすれば
きっと
空手やムエタイで飛び散る汗。恋の争いに赤フン同盟の陰謀。友情につぐ友情の連鎖。
天使たちの思惑に翻弄される恋の行方は、
とてもおもしろおかしく奇妙な方向に……
過保護なあなたはうっとうしい。おせっかいで近すぎて強引でデリカシーがなくて
そして優しすぎて。
ズボラなあなたはめんどくさい。だらしなくて適当で不器用で真っ直ぐで
とても、放って置けないんです。
いつからか、二人のあり方は変わっていく。
相手を思う、その感情は変わっていく。
滴る雫は波紋を生んで、想いはどんどん広がりゆく。
その感情を、なんて呼ぶのか。
不器用さと意外性に満ちたハートフルなラブコメディ。
過保護な堕天使、ズボラなあたし。
あなたってほんとうに、過保護(ズボラ)!
みなさんズボラな女の子ってどうですか?
自分の趣味的に言うと「汚部屋女子」と「潔癖部屋女子」のどちらを選ぶかと問われれば「汚部屋女子」の方を選びます。が、この作品の主人公ちえりは「サ◯ウのご飯」をチンするのも面倒くさいという女の子。そのズボラっぷりはなかなかの強敵です、強敵と書いて「とも」と呼ぶレベルのズボラです。
もっと闇の深いズボラっぷりもあったのですが、ネタバレを書くと面白くありません。この作品を読まれる皆様、ハンカチの用意はいいですか? メガネの準備は出来ていますか? 動悸・息切れ・めまいをされる方は求◯を手元に置いていて下さい。
この作品にはいろんなキャラクターが登場しますけれど、そのキャラの中の数人は確実に〇〇を起こすほどの個性に卒倒します(主人公含めて)。
まじかよ~、南斗最後の将ってユ◯アだったのかよ~、というレベルのどんでん返しでショックを受ける読者の心臓が心配になります。
そして今日! 長きに渡った連載が完結するという記念すべき日の、さらに完結数時間前にレビューを書くというのは、「なんだ! このプレッシャーは!?」と赤い人なら言いそうなタイミングなのです。ここからエピローグで更なるどんでん返しがあると、このレビューがウソになってしまうのです。
基本的に主人公ちえりが「ズボラじゃなくなる」というスタンスでレビューを書いていますけれど、今日のエピローグでちえりがズボラに還っていくという可能性も、微粒子レベルに存在しているわけではあります。
しかしここは思い切って「ズボラじゃなくなる」と言い切る賭けに出ました!
みなさん、いったいどうやったらズボラな女の子が、ズボラじゃなくなって本当の恋を見つけるのか!? こちらの作品でお楽しみ下さい!
以下、こちらの作品レビュー用に数ヶ月前から考えては消えていった一言紹介の残念作をお書きします。
・この世はでっかいズボラ島! そうさ、いまこそ、堕天使だ~
・アナタがワタシにくれたもの、白い色したフンドシね!
・もうムエタイをしないなんて~、言わないよぜったい~
・Maji で Fundoshi する 5秒前
・拝啓、このズボラ~、読んでいるアナタは~、どんなフンドシを締めてるの~
以上、失礼いたしました(`・ω・´)ゞ
(ひまわりさん、すいませんね、怒らないでくださいねm(_ _)m)
何をするにもズボラでめんどくさがりやの主人公、ちえり。
彼女の前に、堕天使のリュカが現れ、ちえりのうちに住むことに。
彼はある理由から掃除、洗濯、料理とちえりの身の回りのことをしてくれる。
しかもそれが過保護でおせっかいなほど、度が過ぎたやり方。
そんな真反対のふたりがお送りするラブコメディ。
憧れの先輩、みんな大好きムエタイ戦士、友人達に、白フン、赤フン。
魅力的なキャラクターが勢ぞろいっっ!
恋あり、友情あり、裏切りも妬みもあれば、迷いや悲しみもあります。
コメディ要素だけじゃなく、さまざまな感情を詰め込んだ作品になっています♪
「💘50 ところでこれってライブ中継?」まで読んでのレビューとなりますが、予想していない展開の連続で、どんな結末になるのか楽しみです♪
わくわくしたい方やきゅんきゅんしたい方はもちろん、イケメン堕天使が好きな方、白フン(!?)が好きな方、赤フンが好きな方(!!)におすすめですっ♪
本作品は、コメディタッチとしっかりとしたハートフルなタッチで描かれた一人の女の子の恋愛ドラマです。
特筆すべきポイントは、主人公の女の子であるちえりは、汚部屋でぐーたらを繰り返す筋金入りのズボラな性格。何をするにも面倒くさいが先に出てきます。
そんな彼女の前に現れたのが、恋の天使ではなくお節介好きの堕天使という、出だしから斜め上を行きます。
そんな先の読めない展開をサポートするのが、多彩な色を持つキャラクターたちです。どのキャラクターも憎めない一面を見せつつ、二人の騒動を盛り上げていきます。
当初はちえりの恋愛を応援する話でしたが、二人がトラブルを乗り越えていくごとに恋の騒動はあらぬ方向に進んでいき、読者にドキドキ、ハラハラ、そして胸をうつ感動を運んでくれます。
本作品の一番の見所は、ずぼらなちえりが、自分なりに考えて行動し、少しずつ成長する姿だと思います。その姿が共感を持てることが最大の魅力ではないでしょうか。読者に近い位置から読者の目線で物語を提供していただけるおかげで、読者が主人公のちえりと一緒に泣き笑いできるというのが、本作品の一番のオススメポイントだと言えます。
最近全力の恋愛をしていないという方に、特にオススメします!!
素敵な作品と読書時間ありがとうございました!!二人の斜め上を行った恋愛ドラマ、最高でした!!
主要キャラ全員を応援したくなる。
そんなハートフルストーリー。
堕天使リュカが主人公ちえりのお手伝いをするようになった事から話は始まり、大きく膨らんで行きます。
価値観、恋愛観、そして自分のズボラな性格。
今まで意識せずにいたもの全てに彼女が気付き始める様子は、とても微笑ましくてがんばれがんばれと応援してしまいます。
登場人物は全員、魅力的な味付けがされていて飽きることなく読み進められるのも特徴。(特にムエタイ戦士は名前も口調も行動もおかしくて、私のみならず多くの方を魅了しているようです)
予想される恋の結末は幾つもありますが、どの結果になっても主人公が幸せになれそうなのも素敵です。
恋愛小説といえばシリアスから始まって徐々に深刻な描写だらけになるのが普通ですけれど、この物語は読み手の気を病ますことなく楽しんで読めますよ。
多くのストレスを抱えて生活する現代人が読者なのですから、これからの恋愛小説はこうあるべきですよね。