血の涙を流した瞳で見つめる正義の姿

一人娘を理不尽な交通事故で亡くした父親の前に突如現れた、「日本ジャスティス実行財団」のホームページ。
それは大きな代償を支払えば自分の正義を実現できるというものだった。

しかし、正義が実現された社会はとてつもない混沌をもたらすことになる。

我々の住む社会の法体系は、犯された犯罪の全てを罰することなど到底適わず、また被害者の応報感情を鎮めるどころか、さらに悲憤を生じせしめることさえある。
つまり今の正義はあまりに不完全なのだ。
その不完全さを、民主的な社会の原罪として受け入れるべきか、否か。

その問いに「否」と答えた場合に暴露される人類される姿が、この作品のあまりに苛烈で残酷な結末だ。