蛆神様は天然系?


 M県S市○○町…………、ゲフンゲフン失礼。

 むかしむかし、ある町にどんな願い事でも叶えてくれる、とても立派な土地神様がおられましたとさ。
 土地の者は、なにか問題が起こると、土地神、土地神と、助けを求めるように土地神に祈りを捧げたといいます。
 すると、瞬く間に願いは叶い、問題が解決したといいます。
 この土地神様は、とても気前が良く、どんな難題を解決しても代償を求めませんでした。
 町の者も親しみを込めて、土地神様を崇拝していました。
 しかし、この土地神様、たった1つだけ重大な欠点を抱えてました。

 耳が遠いのです。

 耳が遠くて、早とちり、しかも、かなりのおっちょこちょいと、三拍子揃ったドジっ娘のような神様でした。
 そのため時々とんでもない拡大解釈をして、願い事をあさって方向に向けて叶えてしまいます。
 次第に、町の者も土地神様を忌避するようになり、憎しみを込めて『蛆神様』と呼ぶようになりました。
 所が、この蛆神様。
 天然は無敵を地で行くようなピュアなお心の持ち主でした。
 新しい名前をもらった、ありがとーう。
 と、言わんばかりに、どんな些細な願いも叶えるようになったのです。
 願を掛ける、願いを叶える、呪いを受ける、以下繰り返しの無限ループ。
 そう、これは閉じた世界の物語・・・
 逃れられぬ運命に捕らわれた、小島ハツナの明日はどっちだ!?

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