（一話読み切り）機織り娘メグの焦燥

中書き

　私がこの作品を書こうと思ったきっかけは「人間は創作物において、異性を描けるか」という疑問です。

　つまり、自分とは異なった性別を表現できるのか、ということです。

　おそらく、男性は女性の妊娠や出産を描けないであろうし、女性は男性が思春期に持つ、性欲と攻撃性がないまぜになった衝動を描くことは大変難しいのではないか、と私は考えています。

　ごく一部の天才を除いては。

　その他にも日常生活における細かな描写などは、どうしても文章に性別が出てしまうのではないか、そんな疑問から「男性であるわたしは女性を描けるのだろうか」と考え、この掌編小説を書き始めました。

　もちろんそれだけではなく、登場人物の性格や背景を掘り下げるためでもあります。

　少しづつですが、メグの生い立ちや性格を表すようなエピソードも書き足して行きたいと思います。

　お読み頂いて有難うございました。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　芝原岳彦