これは、終わらせて、始めるための物語

丁寧に作られたゲームシステムの設定と、それに重ねるように進行する現実の問題とその解決法が、とてもうまくシンクロしていて、良かったです。

仮想現実のゲームと現実の生活が解離していないのは、とてもリアルで、押井守監督の「サマーウォーズ」を観ているような、不思議な高揚感がありました。

二人にとって、ゲームクリアがそのまま現実に向き合うきっかけだと、自分達で決めて、全力で取り組み、そしてきちんとクリア後に現実でひとつ成長した証を立てる。言葉にすると簡単でまどろっこしくもなりますが、本人達の葛藤と意志が上手に描かれていて、なんとも痛快で満たされた。