とにかく純粋で、優しくて、切ない、苦悩と青春の物語。

主人公は嘘がわかり、ヒロインもまたとある特別な力がある。

だからこその苦悩があるのでしょう。主人公もヒロインも、そのせいで他者と距離を置いています。
ただ、主人公は、ヒロインの嘘を見ます。
そして、行動を起こします。
初め、心を閉ざしていたヒロインのその心を、無理やりこじ開けた主人公の強烈な優しさ。

そして、この力を人のために使いたいと、明るくなっていくヒロイン。

過去の清算。

あまりにも悲しすぎる、とある問題の後味の悪すぎる解決。

決して、全ての章が全てキレイに丸く収まるわけではない。

物語は、我々の等身大で、読んでいて心が痛くなります……。
特別な力のせいで、誰もが感じるような苦悩を、極限までに感じてしまうのが彼らなのでしょうか。
悲しいのか、切ないのか、よくわからない感情が頭を貫きます。
それなのに、章が終わるごとに、読んでよかったな······って思える作品です。
出てくる人物たちがことごとく優しい。

本当に綺麗な物語です。