魔女と相棒と魔法の薬
- ★★★ Excellent!!!
一年中雪の降り続く国の森の中に可愛らしい魔女と相棒のシロクマが住んでいます。魔女の名はテナ、シロクマの名前はプーヴァ。彼らは悩みを持って訪れる人々に、オリジナルの魔女の薬を差し出します。
「これを飲んだら元に戻れない、それでもいい?」
その言葉通り、それは飲むと願いを叶えてしまう世にも恐ろしい魔法の薬なのでした。
とにかくプーヴァが可愛いんです。毎回毎回気を使ってお客さんを迎えたり、家事を一生懸命したり、テナの言いなりなところとか。テナはテナでツンツンしてて完全なツンデレ(そこがまた良い!)。飯テロ要素も満載でプーヴァが作る物は非常に魅力的、作品読みながら何度ホットミルクを入れたか分かりません。
変わった依頼人が多くて、薬の効果もとてもオリジナリティがあり、話の展開は教訓めいていてとても面白い。タグに『大人向け童話』とある通り、大人のための話がふんだんに用意されてます。毎回どんなお話なのだろうと楽しみに読み進めました。
どうしようもなく救われないのにあまり暗い気持ちにならないんです。不幸な展開になっても幸せな気持ちでいられるのがこの作品の特徴かもしれません。
都合よく望みをかなえる薬なんかない、幸せは薬でなく自分の手で努力して掴む物。このストーリーにはそんなささやかなメッセージが込められているのかもしれません。