本当に魔女に相談していいんですか、いいんですね?

魔女というと、しわくちゃおばばをイメージしませんか。
森の奥深くにいて、「イーヒヒヒヒ」と笑いながら子供をさらって鍋で煮込む……

本作は白熊がコトコト鍋でシチューを煮込んでいます。
もちろん子供が具でも出汁でもありませんよ。魔女ちゃんもしわしわおばばではありません、ピチピチすぎるお嬢ちゃん魔女です。

しゃべる白熊と編み物が趣味のものぐさ魔女の二人が住む家に、相談にやってくる客たちは皆個性的。そして、やはり魔女ですからね……相談者の希望通りいくかというと、そこにはビターな結末が待っているのです。

エピソードひとつひとつが面白くて、単純なほのぼの系じゃつまらない読者には、超おすすめです。こんどの客は手強いぞ、さてさてオチはどうなるっとワクワクしながら意地の悪い笑みも浮かんじゃって(笑)

感動的なエピソードに自分に問いかけたくなるエピソード、ぞっと怖くなるものまでそろっております。短話形式なので、興味を持ったエピソードから覗いてみても面白いかもしれません。ですが、ひとつずつ歳を重ねていく魔女ちゃんの姿を見るのも親心のようなものでしみじみとしてきますよ。

冬の季節が当たり前、そんな異世界で暮らす白熊と魔女、ほのぼのビターな作品です。

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