初々しさがほんわか感を誘います。

 誰かに認めてもらうということは本当に難しい。
 不器用な彼女は「学業で良い結果を残すこと」のみが自らを認めてもらうための唯一の手段と信じ、それに傾注する。
 少年はあるきっかけで彼女を意識するようになり、言葉を掛け続けるが、その想いは社交性に乏しい彼女にはなかなか届かない。
 初めて、学業の成績ではなくてひとりの女の子として「認められた」彼女の戸惑う心の描写がとても新鮮です。
 初々しいやりとりが、忘れていたものを思い出させてくれました。
 長編の1エピソードとして綴りたくなるシチュエーションが、掌編としてよくまとまっています。
 あなたも宜しければ、ちょっとほんわかなってみませんか?

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