素晴らしい物語の完結を祝して

 この作品、おおざっぱに言うとファンタジーとSFの融合、というジャンルになるのかもしれませんが、ボーイミーツ的なラブコメ要素アリ、日常編のグルメもの的な要素アリ、勿論本編のダンジョン攻略や世界の謎に迫る冒険と、その過程における迫力満点の戦闘アリと、とにかく各種要素がこれでもかとばかりに詰め込まれています。そして、それら多くの要素が全体的にメチャクチャ完成度高いんですよ。会話にはキャラクターの「生きた感情」が込められてますし、地の文章も日本語としてハイレベル…、その上で両方のバランスがまた絶妙にイイんですよね。

 「これスゲーな」というのが素直な感想でした。

 大長編故に(私は一気に読んじゃいましたがw)登場人物が多いですし、所属勢力や世界内の神々等、固有名詞もかなり多いとは思います。途中、少々読み解くのに難解かなと思わせる部分も無いと言ったら噓になるでしょう。覚えられない、わかんない、がツマンナイにつながってしまうかもしれません。そういう意味では、読み手を選ぶタイプの作品なのかなとも思います。
 が、しかし、それを十分に考慮に入れて、マイナス面として差し引いたとしても、それでもやっぱり「これスゲーな」が、この作品に対する私の最終的な感想になりますね。『三国志演義』や『氷と炎の歌』シリーズ(ゲーム・オブ・スローンズ)なんかも登場人物多いですし、勢力図も結構な勢いで入り乱れますが、それでツマラナイかというとそんなことは無いでしょう。合う、合わないは別として、面白いモノは面白いんですよ。私の中では翻訳して世界に誇りたいレベル!!!

 作者である麻美ヒナギ様には感謝の気持ちでいっぱいです。素晴らしい物語に酔わせていただき、本当にありがとうございました。お体に気を付けて、今後も活躍して下さることを心から願い、祈るばかりです。長年の連載、お疲れ様でした。

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