★★★ Excellent!!! あなたのおかげで笑えてる! 藤花=to-ka アルコール依存症とかすごい重い話が来たなって思ったんだけど最後の 笑えてる? って言う言葉を見た時 笑えてました!(っ*’ω`с) レビューいいね! 0 2018年5月10日 14:36
★★★ Excellent!!! 言葉では表現できない、名前も付けられない 肥前ロンズ 主人公カオルの視点で描かれているけれど、本当はもっと言葉にできないものが文字以外の場所でうごめいているのでしょう。もちろんこの作品以外の一人称視点でもいえることだし、現実の人でも今自分が考えていることを文字ではっきりと認識しているとは思えません。 そもそも喋っている時だって、言葉にできていそうで、本当は全くできていない。 名前すら付けられない、言葉にできない感情。そういうのって、お化けみたいだなあ。 読んでいて、自分のことを表現できない、というのが、実はすべての悩みの根源じゃないかと考えました。社会的なことのような気がしますが、寂しいとか、悲しいとかよりもずっと本能的のような気がします。 だから彼女は、あらゆる「個性的で極端な人々」に縋るのかな。存在感がはっきりしているから、自分よりも表現することが上手だと思って、少しでも表現する方法を自分の中に取り入れたいと渇望している。彼女がどんな形でも人と関わろうとしているのは、水面や鏡を見てようやく自分の姿を確認できるように、誰かの眼を通して知ろうとしているような気がします。 でも、そういう風にあがいて苦しんでいる時は、なんだかものすごい理想を描いていて、いつの間にか「自分はこう正しくあるべきなんだ」と脅迫概念を抱いちゃったりするのかしら。 そこまで考えて、ようやく「あ、この感情は私にも当てはまるな」と思ったりするの… 続きを読む レビューいいね! 0 2017年10月21日 19:01
★★★ Excellent!!! 深い混沌と、その先にあるもの。 aoiaoi アルコール中毒を患い、自分自身の中の闇から出ることができず…寧ろ出ることをせずに、泥の中に座っているような主人公、田端カオル。この物語は、彼女がその重く粘りつく泥の中を彷徨う日々を描きます。 泥の中で出会う、やはり泥の中を彷徨うような人物達。それぞれの出会いと、その結末——重く沈み込んだカオルの目と脳を通して映し出される世界の色に、窒息するような苦しさを覚えます。 この作品の魅力は、時間の中を彷徨うカオルの心の動き、その苦しみや重さが、非常に繊細な美しさを持って描かれていることです。逃れることのできない気怠い哀しみが、高い表現力により放ち始める静謐な輝き。読み手は気づけばその魅力にずるずると引き込まれていきます。 そして、泥の底を覗いた彼女が辿り着く場所とは——。 深い混沌と、それを突き抜けた先にあるもの。 生きていることの哀しさ、苦しみの深さ……そこにやがて差し込むであろう一筋の光を見るような、深く複雑な色合いを醸す物語です。 レビューいいね! 0 2017年10月8日 08:35
★★★ Excellent!!! 一冊のハードカバー本を読んだ気分。 雹月あさみ テーマは重く、内容は深い、そんな作品でした。 作者様はタグで「純文学のような、そうでないような」と悩んでおられますが、純文学作品だと思います。 ただ、純文学が苦手という方でも、抵抗なく読めると思います。 それは、ストーリー自体がとても魅力的で、かつ作者様の技量の高さから、読み始めると、次が気になって仕方なくなるからです。 そして読んでいく中で、タイトル「龍の背に乗れる場所」の意味が分かった時、この物語の本当の意味が分かります。 物語は、アルコール依存症の主人公・田端カオルを中心に、彼女と関わりがある人物が描かれていきます。 その中で、彼女の感性を刺激する出来事や、あるいはそうでない出来事などが起こりつつ、ある場所に辿り着く。 時には世界がモノクロに見え、時には青色に見え、そしてまたある時には龍が見える。 エンターテイメント小説のような起伏のあるものではなく、あくまでひとりの人を淡々と描いた作品。 だからといって物語が平坦になるわけではなく、毎回気になる展開になり、読み進めていく内に、読者も田端カオルの魅力に取り付かれていくと思います。 冒頭で書いたように、テーマは重く、内容は深い、作品で、考えされられる部分もたくさんありました。 そしてとても面白かったです! ぜひ、おすすめです♪ レビューいいね! 1 2017年8月17日 19:43
★★★ Excellent!!! 堕落と絶望と美しさと。 橋本圭以 別作品「フェアリーウェイト」を先に読んでいたのだが、こちらはまた一風変わった作品。 ぬかるみの中でもがき続ける主人公と、彼女に寄り添う奇天烈な人々。 決してキレイとは言えない泥沼のようなものを作者は芸術品に昇華させたと思う。 ところで15で悪魔といえばタロットカードだが、カードに象徴される執着の鎖を断ち切ったかのように、主人公のカオルは汚物と落伍の地獄を抜け出して光り輝く暖かな場所へと辿りつく… 続きを読む レビューいいね! 1 2017年7月27日 23:08
★★★ Excellent!!! クリアにするために 湯煙 生きていれば何かしら心の中にわだかまるものが生じるときがある。煩悶することもあれば、モヤッとして落ち着かないだけで済む場合もある。 そのようなわだかまりが解決したり気持ちが晴れるとき、明確な何かが必要な場合もあれば、なんてことの無い些細な気づきであることもある。 カオルにとっての解決手段は死に繋がる行為だった。 生き残って良かったと率直に思う。 死んでしまえば解決したかどうかも気持… 続きを読む レビューいいね! 0 2017年7月15日 08:24
★★★ Excellent!!! 無様に足掻く人間達を愛を持って描いた純文学作品 侘助ヒマリ 純文学とは何ぞや? ブリタニカ国際大百科事典では「読者の娯楽的興味に媚 (こ) びるのではなく,作者の純粋な芸術意識によって書かれた文学というほどの意味」と定義されており、然らば文学における芸術性とは何ぞやという問いにぶつかる訳であるが、やはりそれは絵画や彫刻といった造形美を表現する芸術同様、魂を強く揺さぶられるかどうかというところに行き着くのでないかと思われる。その意味において、芸術とは必ず… 続きを読む レビューいいね! 0 2017年7月9日 22:32
★★★ Excellent!!! 絶望することができるのは、希望を持っている人だけ。 洞貝 渉 なんの希望もなく、なんの望みもない人に、絶望なんてない。 希望を持ち、望みを持ち、それが破れて初めて絶望する。その時人の感情は揺れ動くし、前や後ろ、右や左、上や下など、とにかくなにかしらどこかしらの方向へ進む。 持ち上げて落とす、とは少し違う。 変化に耐えられないで壊れてしまうこともあるかもしれないし、変化がいいことかどうかもわからないこともある。 龍の背中に何を見出すのか、見出すことが出… 続きを読む レビューいいね! 0 2017年7月9日 20:12
★★★ Excellent!!! 美しいバラには棘がある 碧咲瑠璃 小説は二種類あると僕は思う。「読む作品」と「読まされる作品」。 本作は間違いなく読まされる作品。 それはまさしく純文学に通じるものだと思う。 本作はバラのように見る者を虜にする。美しく独特の感性で綴られる。しかしバラのように棘がある。 果たしてそのバラが、一体何色なのかを皆様の心で見て欲しい。 レビューいいね! 0 2017年7月6日 20:57
★★★ Excellent!!! Help. Quickly! 桜人 気分が沈んでいるときに読むと、なんかこう、後半へ行くにつれてテンションが高くなって楽しくなってくる。具体的に言えば、今すぐベランダの手すりを蹴って「時をかける少女」のポスターの真似事をしてみたくなる。 「言葉にはね、人を殺すことのできる力があるの」 まさにその通りだなあと。 レビューいいね! 0 2017年7月2日 15:46