★★★ Excellent!!! あなたのおかげで笑えてる! 藤花=to-ka アルコール依存症とかすごい重い話が来たなって思ったんだけど最後の 笑えてる? って言う言葉を見た時 笑えてました!(っ*’ω`с) レビューいいね! 0 2018年5月10日 14:36
★★★ Excellent!!! 言葉では表現できない、名前も付けられない 肥前ロンズ 主人公カオルの視点で描かれているけれど、本当はもっと言葉にできないものが文字以外の場所でうごめいているのでしょう。もちろんこの作品以外の一人称視点でもいえることだし、現実の人でも今自分が考えていることを文字ではっきりと認識しているとは思えません。 そもそも喋っている時だって、言葉にできていそうで、本当は全くできていない。 名前すら付けられない、言葉にできない感情。そういうのって、お化けみたいだなあ。 読んでいて、自分のことを表現できない、というのが、実はすべての悩みの根源じゃないかと考えました。社会的なことのような気がしますが、寂しいとか、悲しいとかよりもずっと本能的のような気がします。 だから彼女は、あらゆる「個性的で極端な人々」に縋るのかな。存在感がはっきりしているから、自分よりも表現することが上手だと思って、少しでも表現する方法を自分の中に取り入れたいと渇望している。彼女がどんな形でも人と関わろうとしているのは、水面や鏡を見てようやく自分の姿を確認できるように、誰かの眼を通して知ろうとしているような気がします。 でも、そういう風にあがいて苦しんでいる時は、なんだかものすごい理想を描いていて、いつの間にか「自分はこう正しくあるべきなんだ」と脅迫概念を抱いちゃったりするのかしら。 そこまで考えて、ようやく「あ、この感情は私にも当てはまるな」と思ったりするのです。純文学の定義は、「これはお前の物語だ」と訴えかけてくるというところもあるのかなとちょっぴり思ったり。思わなかったり。何書いてるんだろうあたし。 ……とにかく、この物語のチャームポイントは、モッさんが出ているところです! 沢山考えさせられる物語だったので、カッコつけてレビューを書きたかったけれど、見事に粉砕した肥前ロンズでした。 レビューいいね! 0 2017年10月21日 19:01
★★★ Excellent!!! 深い混沌と、その先にあるもの。 aoiaoi アルコール中毒を患い、自分自身の中の闇から出ることができず…寧ろ出ることをせずに、泥の中に座っているような主人公、田端カオル。この物語は、彼女がその重く粘りつく泥の中を彷徨う日々を描きます。 泥の中で出会う、やはり泥の中を彷徨うような人物達。それぞれの出会いと、その結末——重く沈み込んだカオルの目と脳を通して映し出される世界の色に、窒息するような苦しさを覚えます。 この作品の魅力は、時間の中を彷徨うカオルの心の動き、その苦しみや重さが、非常に繊細な美しさを持って描かれていることです。逃れることのできない気怠い哀しみが、高い表現力により放ち始める静謐な輝き。読み手は気づけばその魅力にずるずると引き込まれていきます。 そして、泥の底を覗いた彼女が辿り着く場所とは——。 深い混沌と、それを突き抜けた先にあるもの。 生きていることの哀しさ、苦しみの深さ……そこにやがて差し込むであろう一筋の光を見るような、深く複雑な色合いを醸す物語です。 レビューいいね! 0 2017年10月8日 08:35
★★★ Excellent!!! 一冊のハードカバー本を読んだ気分。 雹月あさみ テーマは重く、内容は深い、そんな作品でした。 作者様はタグで「純文学のような、そうでないような」と悩んでおられますが、純文学作品だと思います。 ただ、純文学が苦手という方でも、抵抗なく読めると思います。 それは、ストーリー自体がとても魅力的で、かつ作者様の技量の高さから、読み始めると、次が気になって仕方なくなるからです。 そして読んでいく中で、タイトル「龍の背に乗れる場所」の意味が分かった時、この物語の本当の意味が分かります。 物語は、アルコール依存症の主人公・田端カオルを中心に、彼女と関わりがある人物が描かれていきます。 その中で、彼女の感性を刺激する出来事や、あるいはそうでない出来事などが起こりつつ、ある場所に辿り着く。 時には世界がモノクロに見え、時には青色に見え、そしてまたある時には龍が見える。 エンターテイメント小説のような起伏のあるものではなく、あくまでひとりの人を淡々と描いた作品。 だからといって物語が平坦になるわけではなく、毎回気になる展開になり、読み進めていく内に、読者も田端カオルの魅力に取り付かれていくと思います。 冒頭で書いたように、テーマは重く、内容は深い、作品で、考えされられる部分もたくさんありました。 そしてとても面白かったです! ぜひ、おすすめです♪ レビューいいね! 1 2017年8月17日 19:43
★★★ Excellent!!! 堕落と絶望と美しさと。 橋本圭以 別作品「フェアリーウェイト」を先に読んでいたのだが、こちらはまた一風変わった作品。 ぬかるみの中でもがき続ける主人公と、彼女に寄り添う奇天烈な人々。 決してキレイとは言えない泥沼のようなものを作者は芸術品に昇華させたと思う。 ところで15で悪魔といえばタロットカードだが、カードに象徴される執着の鎖を断ち切ったかのように、主人公のカオルは汚物と落伍の地獄を抜け出して光り輝く暖かな場所へと辿りつく。 エピローグに至る過程は「13 死神」そのものである。 あるいは鎖にしがみついていたから竜の背に乗れたのか。 いろいろ書きましたがとにかくこの一言が言いたかったのです。 「面白いのでぜひ読んで下さい!」 レビューいいね! 1 2017年7月27日 23:08
★★★ Excellent!!! クリアにするために 湯煙 生きていれば何かしら心の中にわだかまるものが生じるときがある。煩悶することもあれば、モヤッとして落ち着かないだけで済む場合もある。 そのようなわだかまりが解決したり気持ちが晴れるとき、明確な何かが必要な場合もあれば、なんてことの無い些細な気づきであることもある。 カオルにとっての解決手段は死に繋がる行為だった。 生き残って良かったと率直に思う。 死んでしまえば解決したかどうかも気持ちが晴れたかどうかも実感できない。それでは救いがない。 生き残ったカオルが何かしらの幸せを感じることができた。 ああ、良かった。 その読後感は読者も感じることがあるだろうわだかまりの先に繋がっているのではないか。 やるせなさの残る結末でなくて良かったとしみじみ感じました。 レビューいいね! 0 2017年7月15日 08:24
★★★ Excellent!!! 無様に足掻く人間達を愛を持って描いた純文学作品 侘助ヒマリ 純文学とは何ぞや? ブリタニカ国際大百科事典では「読者の娯楽的興味に媚 (こ) びるのではなく,作者の純粋な芸術意識によって書かれた文学というほどの意味」と定義されており、然らば文学における芸術性とは何ぞやという問いにぶつかる訳であるが、やはりそれは絵画や彫刻といった造形美を表現する芸術同様、魂を強く揺さぶられるかどうかというところに行き着くのでないかと思われる。その意味において、芸術とは必ずしも美しくなければいけないというものではないと言えるだろう。 今作は美しいか否かという基準にあてはめるべきものではない。無理矢理あてはめるとするならば、主人公カオルを始めとする登場人物の性格や言動は必ずどこかに歪みがあり、そこに生じる空隙があと一歩で寄り添えるはずの心と心を隔てている点、そしてまた人物達が読者の前でも取り繕うことなく人間の怠惰や強欲、欺瞞といった醜さを晒け出している点からも決して心地好い美しさを体現した作品でないことは明白であろう。 しかしながら、魂を強く揺さぶられるかどうかという基準においては、紛れもなくこの作品は作者が芸術的意識を持って読者に提示した「純文学」であると断言できるのである。 なぜならば、一見非常識かつ非現実的に見える人物達の持つ思考や感情はやはり普遍的価値観から外れておらず、数多に訪れる人生の岐路の中でもほんの小さな枝分かれを違えただけで読者自身もまた作中の人物のような境遇で足掻くことになるかもしれないという危惧にも似た共感を有無を言わさず引き起こされるからに他ならない。 そして今、本作を評するにあたって私自身も行き着く先──つまりはオチを見つけられないままにもっともらしい感想を書き連ねるという泥沼を無様に足掻いている最中である。 この紛れもない純文学である本作にふざけたレビューをつけるとうっかり口を滑らせたばかりに作者様から無段階にハードルを… 続きを読む レビューいいね! 0 2017年7月9日 22:32
★★★ Excellent!!! 絶望することができるのは、希望を持っている人だけ。 洞貝 渉 なんの希望もなく、なんの望みもない人に、絶望なんてない。 希望を持ち、望みを持ち、それが破れて初めて絶望する。その時人の感情は揺れ動くし、前や後ろ、右や左、上や下など、とにかくなにかしらどこかしらの方向へ進む。 持ち上げて落とす、とは少し違う。 変化に耐えられないで壊れてしまうこともあるかもしれないし、変化がいいことかどうかもわからないこともある。 龍の背中に何を見出すのか、見出すことが出来るのか、それは龍の背中に乗った本人にすらわからないのかもしれない。 ……なにが言いたいのかというと、 とっても面白かったです! ちょっとでも興味を持った方、ぜひ読んでみてください! レビューいいね! 0 2017年7月9日 20:12
★★★ Excellent!!! 美しいバラには棘がある 碧咲瑠璃 小説は二種類あると僕は思う。「読む作品」と「読まされる作品」。 本作は間違いなく読まされる作品。 それはまさしく純文学に通じるものだと思う。 本作はバラのように見る者を虜にする。美しく独特の感性で綴られる。しかしバラのように棘がある。 果たしてそのバラが、一体何色なのかを皆様の心で見て欲しい。 レビューいいね! 0 2017年7月6日 20:57
★★★ Excellent!!! Help. Quickly! 桜人 気分が沈んでいるときに読むと、なんかこう、後半へ行くにつれてテンションが高くなって楽しくなってくる。具体的に言えば、今すぐベランダの手すりを蹴って「時をかける少女」のポスターの真似事をしてみたくなる。 「言葉にはね、人を殺すことのできる力があるの」 まさにその通りだなあと。 レビューいいね! 0 2017年7月2日 15:46
★★★ Excellent!!! なるほど、 あんちぇいん タイトルとキャッチからおそらくファンタジーを想像する。異世界転生などとは違うハイファンタジーだ。 が、これはリアルの物語だ。 そして、なるほど。 純文学か…… と、同時に、どこか純ファンタジーを思わせる匂いを感じる。 キャッチのせいか、タイトルのせいか…… う~ん、違うな…… 自分が住んでいる世界とどこか違うけど、やはり知っている世界(当然だ、この世界なのだから)、そこで紡がれる出会いと別れ、そして、何故か触れてはいけない世界に触れているような錯覚。 なるほど、面白い。 そして、個人的には純文学にして純ファンタジーとも評価させていただきたい作品だった。 是非、エピローグまで読んでみて下さい。 レビューいいね! 0 2017年7月2日 10:19
★★★ Excellent!!! 龍の鱗は再生する。何度でも 月花 龍で、私がまず連想したのは「鱗」でした。 魚にも鱗がありますが、鱗は剥がれてもまた生え変わるんです。 作者様の他作品、白石由美子や、フェアリーウェイトは、一見全く違う方向の作品に思えますが、実は根底は同じなのかもしれないと、私は感じていました。 作者様の意図と違ったとしても、私はこのように受けとりました。 人は再生できる。 生きてる限り。 鱗のように……何度でも。 レビューいいね! 0 2017年6月29日 11:04
★★★ Excellent!!! カオルは「龍の背」に乗ったのだ 月ノ瀬 静流 この作品は紹介するのが非常に難しい作品である。 いつもの定食屋に行って、「おばちゃん、いつものアレちょうだい」と言う人には、薦めにくい。 けれど、おばちゃんに「今日は特別メニューがあるんだよ」と言われたとき「じゃあ、ソレお願い」と言える人には、是非お薦めしたい。 これは珍味であり、決してゲテモノではない。美味か否かを決めるのは、貴方自身だ。 タグの中に、「純文学」がある。だが、これは、純文学好きの人に太鼓判を押すためのもので、純文学が苦手という人を敬遠させるためのものではない。 純文学が苦手な人は、このタグは見なかったことにしてほしい。読み始めてしまえば、問題なくすんなり物語に入れると思う。そして「全然、純文学じゃないじゃん?」と思うだろう。 だが、やはり途中で、「……純文学かもしれない」意見を変えることになると思う。ただし、そのとき、読む手を止めることはない。先が気になるからである。 タイトルに「龍」とあるが、ファンタジー作品ではない。このタイトルの意味は、読み進めれば納得がいく。納得してしまえば、このタイトルはごく自然、それどころか、これ以外あり得ないと言い切ることができる。 具体的な内容を紹介する前に、随分と長文になってしまった。 まぁ、これでいいだろう。要するに、読めば分かる、ということだ。 レビューいいね! 0 2017年6月13日 22:39
★★★ Excellent!!! 苦しみながら美しく紡がれる物語 ダイスケ 前作「フェアリーウェイト」とはうってかわって、人間のシリアスな生きざまが堂々と描き出される純文学。 作者がもがき苦しみながら紡ぎだす美しい物語は必見。 レビューいいね! 0 2017年6月10日 10:58
★★★ Excellent!!! 全てを失って絶望しても、龍の背に乗ってきっと笑おう 黄間友香 私も文章を書くので、薄暗いものも書きたくなる。自分のアクの強いところを書けるようになっただろう、と思って書くわけである。 薫のように嘔吐の連続である。胃ではなく、空にするのはこころであるが。 つらい、苦しい。嘔吐嘔吐嘔吐嘔吐嘔吐嘔吐嘔吐嘔吐嘔吐嘔吐嘔吐嘔吐嘔吐嘔吐嘔吐嘔吐 周りは物の見事に大惨事で、言葉がバラバラと散乱してうまくなんて纏まらない。偏頭痛と共にぶちまけられた言葉を見てうんざりすることもまちまちである。だが、形になることを夢見て、書き続ける。適当な小話なんかもはなみながら。 そんな時に、これを見て驚いた。これが、さつきまるさんの吐き方なのか…(失礼) 最後の部分にはこう来たか。と思うと同時に、これがさつきまるさんらしさであるのだなと思った。 レビューいいね! 0 2017年6月8日 09:11
★★★ Excellent!!! 誰もが乗れるわけではない龍の背中、エピローグで乗れるかもですぜ! 高尾つばき 書き手が、その魂を削って創造した物語。 クリエーターが無から有を生み出すとき、むろんそこには想像を絶する過酷な苦悩が伴います。 今作を読了したとき、知らず肩に力が入っていたことに気づきました。この物語の持つ熱量を受け止めるためには、読み手もその覚悟が必要であったということでしょう。 主人公のカオルと、彼女が出会う人々との出会いを描いています。 読み進めるうちに、絡まった糸がほどけていく。という感覚よりも、むしろさらに複雑化していくイメージなのです。それはストーリーが破綻しているということではありません。人の心の暗部へいざなわれるような、覗いてはならない禁断の地へ足を踏み入れた印象なのです。 だから、面白いのです。 ご安心ください。エピローグが用意されています。 この構成には脱帽です。 タイトルの意味に気づいたとき、溜飲が下がります。 レビューいいね! 0 2017年5月29日 11:45
★★★ Excellent!!! ただ一直線に飛ぶ龍なんて、どこにもいない エディ・K・C 人生の流れを龍とたとえるならば。 その背に少しの間だけ、乗ることが許されるならば。 そのうねうねとした濁流にいっとき、翻弄されてみよう。 乗客の魂もまた、上下左右に揺さぶられることだろう。 その間、龍の背から見渡す深淵に、目を瞑らないことが大切だ。 劈く咆哮に、耳を塞がずにいることが大切だ。 周囲に飛び交う、すれ違う龍。過ぎ去っていく龍。落ちていく龍。途切れる龍。交わる龍……。 ただ一直線に飛ぶ龍なんて、どこにもいない。 ジェットコースターではないのだ。コースなんて定められていない。 それぞれの飛び方で、ただ精一杯、不器用に飛んでいくだけ。 私は乗り物酔いはしない質だが、龍の背から降りた後、くらくらと目眩がした。 自分の龍の背からは、何が見えているだろう。 あなたの龍の背からは、何が見えるだろう。 この作品は、紛うことなき純文学作品である。 純文学とは、物語世界の酒である。 この物語は、作者様の醸成力により、度数は高めだ。 飲みくちはまろやかで、特段、構える必要はない。 さあ、一緒に酔いどれになろう。 ただ、一気に呷ると、悪酔いするかもしれない。 そういう覚悟は必要。 レビューいいね! 0 2017年5月25日 14:48
★★★ Excellent!!! とにかく、魂を揺さぶられます 笛吹ヒサコ きれいとは言い難い内容ですが、どんどん引き込まれていきます。 そして、読み終わった後、しばらく残ったこの感覚は、一体何だったのか。 さつきまる様の作品には、本当に言葉を失うほどの魅力があります。 レビューいいね! 0 2017年5月22日 17:36
★★★ Excellent!!! 世界はがらんどう。それでもなお生きよ、人間! 運昇 人々と交わった記憶との禅問答。 是非も無い、ただただ人間のあるがままの姿を不器用に、歪に、擦り合わせていく。 杓子定規なんてクソくらえ、それでいいじゃないか。 私は作者様の研ぎ澄まされた激情に揺り動かされ、快感すら覚えた。 月光が記憶の讃美歌を歌うとき、過ぎ行く龍の背に銀色の生が映し出されたことだろう。 紛うことなき会心作であった。 と、あびゃ〜なレビューになってしまうほどのめり込んでしまう作品でございます。ぜひともご一読を! レビューいいね! 0 2017年5月19日 23:57
★★★ Excellent!!! 価値観、理解を越えて心を揺らしてくる名作です!! 小森日和 純文学というタグに一瞬迷いましたが、さつきまるさまの作品ということで読み進めました。 文学とは、人の心を揺さぶるものとおっしゃる通り、読み進める間は色々と揺さぶられるものがありました。 その揺さぶりは何かと考えたとき、私の感想としては、登場人物たちが様々な形で接触する際に生じる波紋のような衝撃ではないかと思いました。 純文学については詳しくありませんので、内容については語ることはできませんが、そのことが悔しいとさえ思えるほどの作品だと思います。 ぜひ、みなさまも一読されてみてください。そして、心に迫ってくる衝撃が何かを考えてみてはいかがでしょうか? とても素敵な作品と時間を提供していただき、本当にありがとうございました!! レビューいいね! 0 2017年5月19日 23:23
★★★ Excellent!!! 割れた酒瓶が胸に突き刺さる 美味なめたけ さつきまるさんの純文学作品と言うだけで、 多くの読者に刺さる物語であることは間違いありません。 愚鈍、不器用、軽率であることが、 肯定はされなくても受け入れられるこの作品には、 数多くの救いがあると思います。 純文学嫌いでも読んで損は無いと思いますよ。 レビューいいね! 0 2017年5月19日 22:37
★★★ Excellent!!! 傷ついた魂のたどる数奇な物語、その結末に見えるものは? 関川 二尋 文学作品の定義は多々あれど、魂を揺さぶるという点においてこれはまさに文学作品でした。 主人公のカオルは路上詩人を名乗るダメな女性、でもそんな彼女にも彼女を気に懸けてくれる人たちがいます。その強烈なキャラクターの面々が楽しいのですが、もちろん物語はそれだけにとどまらず。 カオルは傷ついた内面を惜しげもなく物語にさらしながら、巻き起こる事件に直面していくことになります。その中で描かれるのは希望と絶望、この二つが淡々としながらも圧倒的に迫ってきます。 主人公のカオルはキャラクターでありながらも、どこか作者のようでもあり、そして自分の事でもあるような、そんな不思議な存在感を放って読者を捕まえます。その様がなんとも異様な感覚です。 まさに作者の魂が込められた物語でした。 ぜひ読んでみてください! レビューいいね! 0 2017年5月19日 07:54
★★★ Excellent!!! 表現力の豊かさ 萱草真詩雫 やはり触りしか読んでないが←だから読み方(笑) 主人公の性格、生活態度、心情が良く分かる…と言うか、容易く想像出来てしまう作品。 極普通の、主人公なのに何処か惹かれる魅力があり。 1話目で伝わる素晴らしさ、流石作者の技である。 この先、自分的に「あなる」が気になるのでますますハマる事だろう(笑) 是非オススメ! レビューいいね! 0 2017年5月18日 07:44
★★★ Excellent!!! 「ひとり上手」「悪女」「時代」あるいは「道化師のソネット」 ユーリ・トヨタ 作者様はこの作品を執筆中、中島みゆきをよく聞かれたそうです。 私なりにも感じたのですが、初期の中島みゆきを文学で表現すると 確かにこの作品になります。 ひとり上手と呼ばないで、ひとりが好きな訳じゃない 彼女も割と忙しいようで、そうそう付き合わせてもいられない 今日は斃れた旅人達も、生まれ変わって旅に出る まさに作者様は彼女の表現したかったことを、この作品で 述べられています。 人は決してひとりでいたい訳でもない、他人には遠慮もある、 それでも誰かが誰かを必要としている。 そして生まれてきた意味を見直そう。 そんな世界がこの「龍の背に乗れる場所」に書かれている意味です。 そしてもう一つ、さだまさしの「道化師のソネット」 これも古い曲なのでご存じではない方が多いでしょう。 笑ってよ君のために、笑ってよ僕のために そんな歌詞から始まる愛の唄 せめて笑顔が救うのなら、僕はピエロになれる 私たちの周りには、私たちが笑顔でいられるように 自分でピエロになってくれる人がいます。 その人達の本当の気持ちを分かってあげて下さい 笑われたくはないのです、ただ笑って欲しいのです。 この曲を作者様はご存じかどうか分かりませんが 最終的なエンディングに「道化師のソネット」の世界が この物語を救っています。 笑われたくないのです、ただ笑って欲しいのです この「龍の背に乗れる場所」に書かれてある ある特定の応援コメント代表として、静かに筆を収めたいと思います。 笑われたく(もう、ええっちゅうねん!) レビューいいね! 0 2017年5月16日 17:28
★★★ Excellent!!! まちにいるひとりのひと、 本庄 照 なんだと思います、カオルさん。 多分、街には、たまにいる人。でも、見た目じゃ全然わからない人。 探そうと思っても探せないし、おそらく本人も探されるのを望んではいないのかもしれない。いや、いないのかもしれない。 でも、誰しも、カオルさんの一部分を持ってる。 ……まだ序章でしょうから、自分の見立ては間違っているのかもしれません。とりあえず、読んで思ったことだけ。また書きなおします。 ところで、モッさんもいますねぇ……。 レビューいいね! 0 2017年5月15日 19:19
★★★ Excellent!!! 誰かの選択を受け入れた時、彼女は龍の背をみた。 八住 とき 彼女、田端カオルは決して怠惰な女では無かった。 命の限りを最大に尽くす蝉のように懸命に生きていた。 誰かと比較する事は無意味だと知っていたし、誇り高く生きている。 彼女は失い続ける理由を問い、その理由を受け入れる。 社会の流れから外れてしまっても、社会は彼女を生かし続けた。 何故? 彼女は、龍の背に乗るべき女だったからだ。 彼女は失い続ける理由を問い、その理由受け入れた時、最高のエピローグを迎える。 この物語は、カオルのアルコール漬けの脳で開かれる豊かな情感で確かに語られ、 閉じた暗闇に差し込む一筋の光。本当にわずかな光ですが、何よりも眩く力強く感じる事が出来ます。 レビューいいね! 0 2017年5月14日 18:32
★★★ Excellent!!! もしも龍の背が銀に輝いているのなら逆さに反っているのかもしれない 舞砂花螺 曖昧で情緒的。純文学という言葉に偽りはなく何を言うべきか悩んでしまう作品なのだけれど、まずは導入の言葉に触れておきたい。一話目の『燃えるような情緒を交わしたい』という一文はおそらく物語り全体に対する布石なのだろうけれど、一話目の伏線にもなっている点が面白い。何故なら彼女は感じることができないからだ。しかしそれは肉体的な面を捉えたものであり、内面はまた別の話。だからこそ一話目の最後の言葉が心に染み入るのである。 二話目の冒頭もまた面白い。『意見というのは自分を苦しめる』。この言葉の意味は誰もが想像できるだろう。しかし途中から始まる回想の最後で、かつての青い記憶を想起させられ同時に気づくのだ。縛られているのは冒頭にあるように『私』であり、それはまた『私』でもあるのだということを。過去と現在の繋がり、その狭間が見事に表現され、そこに吐き出されている弱音に共感させられる。 三話目になると趣が変わる。二話目のフィロソフィアとおそらく同様、意図的に使われている表現によって読む者は不快感を抱くだろう。だがその不快感は自分自身に対するものであり、同時に社会へ対するものでもある。それを彼女は代弁しているに過ぎない。僅かな罪悪感の緩和と変わらない日常への帰結。終わり方が実に面白く非常に様々な答えを導き出せる構成になっている。 レビューいいね! 0 2017年5月13日 12:12