美しい。哀しい。そして恐ろしくもあるが、余韻はやはり美しい。確かに読む時間は5分ほどの2000字の短編ですが、まるで映画を1本観たような感覚です。作り込まれた世界観と作者の紡ぐ物語をぜひ堪能してください。
コミカルな長編においては人後に落ちない作者様の手による、まさかのシリアス短編(!)です。抑揚の利いた、儚く美しい文体で紡がれる〈私〉の数奇な人生。偉大なる運命の女神は、そんな彼女にも等し並みに温情の手を差し伸べるのです……。長編とのギャップが余韻を更に際立たせるという、メタな仕掛け(?)にもやられました!
短編でありながら内容はとても濃く、少しずつ明らかになる真実と、そのラストに驚愕します。
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