顔面の造形数センチの違いによる容赦ない迷走

ただ一つその数センチの違いがあるだけで、物語の醍醐味である登場人物逹の意思が生き生きとしてくる。
作品自体のジャンルすら決定づける。
アクションやコメディにはなれても、ハーレムにだけはなれない。
そういうところに、こんなにも荒唐無稽な物語なのに、どこか読むものにある種の現実の悲しさ、リアリズムすら感じさせる。
その境界線にこそこの作品の面白さがある。
また一方で、「恋愛」を変に美化する全てのものたちに「恋愛を否定はしないが、変に持ち上げもしない。お前らは結局気持ちのいいセックスをしたいだけなのだということを忘れるな。」とでもいうような、恋愛至上主義に対するアンチテーゼ、みたいなものを感じる作品。

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