昔を想い出す

ネタバレを含みますので、閲覧に気を付けて下さい。

この小説の一つのポイントは、祖母が諭す恋の芽生えにあるように思う。それはきっと、主人公は女性心が分からないから、同姓であるおじいさんではなく、おばあさんが伝える必要があったのかもしれない。よくよく考えてみると、お父さんも早くに亡くなっている。老賢者、というとおじいさんのイメージが強いのだが、おばあさんのところに一つこの小説の独自性があるのだろう。主人公以外は女性ばかりだ。

最後に残念だったのが、菊の花というのが、主人公とナミの間では何の花だったのだろうか、ということである。僕も知識不足かもしれない。菊とはなんだったのだろうか。