オッドアイの猫がいざなう、現実感のあるワンダーランドストーリー。

この作品の、流れている空気というか気配というか、そういうものが大好きです。
舞台も人物も息づいていて、これはファンタジーだと言い切れません。有り得る話、いや有り得て欲しい話だと願ってしまいます。
読後、ほっとするのに、どこか切なさも残る。そんな素敵なお話でした。

表と裏とか、現実と虚構とか、生と死とか。
それらには「ここからここまでがこっち」なんて決まっていなくて、メビウスの輪のように緩やかに繋がっているのかもしれませんね。

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