第11話 ヴァン・ダインの二十則に関して
大分間が開きましたが、今回からヴァン・ダインの二十則に関して検証してみたいと思います。というか、このエッセイは一年ぶりに更新するかもしれません。いやいや何だか済みません。小説の方はさっぱりアクセス数が上がらないのですが、この書き方は奇妙な事に全く更新もしていないのに一日20アクセス位毎日のように上がっています。ずっと不思議に思っていたのですが、YAHOOの検索で、カクヨム ミステリ、で検索すると、この書き方が十位圏内や二十位圏内に出てきます。多分そのせいでアクセス数が一定数値で毎日上がっていたのではないかと推測します。★やハートや感想が付く訳ではありません。単にアクセス数だけです。そんな訳で更新しないのはちょっと心苦しいので更新する事にしました。
(探偵小説を執筆するための二十則 ヴァン・ダイン)
(探偵小説は一種の知的遊戯である。いや、それはむしろ、正々堂々とした競技である。それゆえ、探偵小説を執筆するにあたってはきわめて厳格な規則が存在する。その規則は成文化されてはいないが、それでも拘束力はある。文芸を通じて謎を作り上げる人たちのなかで、尊敬に値し、自尊心を有している人はみな、その規則に従っている。よってここに、私の信条であるところの規則を掲げる。それは部分的に探偵小説の偉大な作家たちの慣習に基づいており、他の部分は誠実な作者の内なる良心の示唆に基づいている)
( )の部分は引用です。
(1.謎を解決するために、読者は探偵と同等の機会をもたなければならない。すべての手がかりはありのままに記述されていなければならない)
さてと、この部分に関しては極当たり前の事が云われていると思います。推理できる要素がなければ推理小説、探偵小説とは云えないという則ですね。ミステリーという物であればそれでも良いでしょうが、推理小説、探偵小説と云うからには確かにそうでなければいけないと思います。
(2.作中の犯人が探偵自身に仕向けるトリックを除いて、作者が読者に対して意図的なトリックやごまかしを仕掛けてはならない)
これは叙述トリックなども含まっていそうですが、現代に於いてはそんな叙述トリックを絡めた読者に対する意図的な誤魔化しを使いつつも物理トリック、アリバイトリックを重ねた物も多く見られるようになりました。例に上げると物理トリックで第三者が犯行を行ったかのように見せかけておいての、探偵自身が犯人だったというどんでん返しとか…… そういった感じの物です。私も自作で結構使っていますので、もう現代では有りといった則になっていると思います。
(3.色恋沙汰があってはならない。手持ちの任務は犯人を正義の法廷に引きずりだすことであって、恋に悩むカップルを結婚の祭壇に連れだすことではない)
これは主語がないので一瞬戸惑いますが、探偵に色恋沙汰があってはならない。と読むのだと思います。そんな上で考えますと、本格中の本格であるならば、変な色恋を読まさせられて興ざめするのは避けたいという部分があるかもしれませんが、普通の推理小説であればちょっと色恋沙汰ぐらいあった方が良いじゃないか、と思う自分がいます。最近では他ジャンルとの融合で新しさを出しているという部分もありますので、個人的にはありだと思います。まあ主題が色恋沙汰に移ってしまうほどは困りますが、推理小説としての主題を見失わない程度の色恋沙汰は逆に必要じゃないかと思うほどです。名探偵コナン然り金田一少年然り、探偵の色恋沙汰は最近では日常茶飯事になっているのですから。
そんな訳で今回は3則の検証をしてみました。次回はいつになるのか解りませんが早めに更新しようと思います。
わたし的ミステリー小説の書き方 横造正史 @kouzou
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