『隣の部屋』から、聞こえる……。見える……。

傷心のこころを抱えて引っ越してきた主人公が目の当たりにする怪異を、一部ミステリーの要素も交えて進むこの物語。

しっかりとした『恐怖描写』もさることながら、主人公の心理描写にもぐいぐいと惹かれます。

弱気で、引っ込み思案で、だけど恋心は押さえられなくて……。
それなのに、あと一歩が……。
そんな主人公が、ぎりぎりのラインで踏ん張る後半。
怪奇現象に立ち向かう彼の様子に、「頑張れっ」と思わず応援してしまいました。

第一話『隣の部屋』の読後感は、ホラーでありながら非常にさわやかです。

『付記』については……。
夜、読んではいけません……。

いや、真面目に。
本当に。
これは、怖い……。

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