許嫁。良い響きです。

現代日本では、大学受験に苦労したら、今度は就職活動に汗を掻き、そうこうするうちに結婚相手の探索に奔走する。その後も、転職だ、離婚だ、再婚だと、人生に休まる暇も無い。
自由を謳歌する精神的余裕を感じれる者は、世の中に一体、どの程度いるのだろう?
職業選択の余地も限られ、結婚相手も親に決められる不自由な人生だって、捨てたもんじゃない。
そう思わせる作品です。裕福な家庭のお嬢様が主人公だから、安心して読めるんですよね。
男の私には分からないが、ハーレクイン・シリーズに似た面が有るのでは?

久しぶりに「メリークリスマス」の方も読み返しました。
あの柊子さんの学友なんですね、楓さんは。
それにしても、大正時代は仄々した雰囲気が似合いますね。ガツガツした昭和では似合わない。おっとりした平成は平成で、ウワッついたとこが不足していて、やっぱり似合わない。名月明さんは100年前の時代風景を巧く切り取っていらっしゃる。

短編にはMAX2つが信条なんですが、星3つ付けました。

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