心ゆさぶられる筆致が描くディストピアの生々しさ、スリリングな空戦が凄い

《翡翠の侵略者》と呼ばれる脅威に立ち向かう戦争兵器の子どもたち。企業お抱えのアイドルでもある彼らの中には、音楽ライブと化した空戦でかつて侵略者に立ち向かった功労者である大人たちを殺戮する者も。そして大衆は、そんな彼らのステージに熱狂する・・・。

戦争が娯楽めいたユートピアの皮を被るディストピアという舞台で描かれる、《翡翠の侵略者》と呼ばれる脅威に立ち向かう主人公と仲間たちの物語です。その魅力は、なんといっても臨場感あふれる空戦。緻密だけど無駄が省かれた描写の生み出すスピード感と迫力ある戦闘シーンは最高です。

また登場人物も魅力的で、中でも過去の葛藤を抱えつつ時にシニカル・時にシリアスに振る舞う主人公には、気がつけば感情移入しており、ピンチになるたびにハラハラしました。それ以外の登場人物も、思わず感情を逆撫でられたアイドル少年たちや、醸し出すホラー感に堪らずぞくっとした敵勢力など、形はいろいろですが、本当に引き込まれました。

最新話では、あらすじで紹介されていた作品の要である(っぽい)エルフ(なのかな?)も登場し、これからの展開が楽しみです。

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