謎の敵との戦い、ジャンクヤード、そこの酒場に集う老兵たち、娯楽と化した空戦、人間に変わって戦闘機を操縦するようになった美少女アイドルAI、ビルの合間を縦横無尽に駆け抜ける戦闘機、そして、機体の故障に苦しむ主人公(ネタバレになるので名前は伏せます)を援護する、主人公のかつての相棒を彷彿とさせる、コックピットが改造されたF-4ファントム。
航空モノの美味しい部分をこれでもかと贅沢に注ぎ込み、空戦シーンもまるで本当にGがかかってくるかのような臨場感と魅力を兼ね備えた、面白さが機銃弾のように降り注ぐ読み応えです!
惜しむらくは、最終更新が2018年で止まってしまっていることです。主人公に夢の中でコンタクトを取ってきた存在たちはなぜそうしなければならなかったのか? F-4ファントムの操縦者は何を見たのか? 何よりも、『翡翠の侵略者』の侵攻を人類は食い止めることができるのか? この世界はどうなってしまうのか???? 本当に気になるので、続きを読ませてください!!!
《翡翠の侵略者》と呼ばれる脅威に立ち向かう戦争兵器の子どもたち。企業お抱えのアイドルでもある彼らの中には、音楽ライブと化した空戦でかつて侵略者に立ち向かった功労者である大人たちを殺戮する者も。そして大衆は、そんな彼らのステージに熱狂する・・・。
戦争が娯楽めいたユートピアの皮を被るディストピアという舞台で描かれる、《翡翠の侵略者》と呼ばれる脅威に立ち向かう主人公と仲間たちの物語です。その魅力は、なんといっても臨場感あふれる空戦。緻密だけど無駄が省かれた描写の生み出すスピード感と迫力ある戦闘シーンは最高です。
また登場人物も魅力的で、中でも過去の葛藤を抱えつつ時にシニカル・時にシリアスに振る舞う主人公には、気がつけば感情移入しており、ピンチになるたびにハラハラしました。それ以外の登場人物も、思わず感情を逆撫でられたアイドル少年たちや、醸し出すホラー感に堪らずぞくっとした敵勢力など、形はいろいろですが、本当に引き込まれました。
最新話では、あらすじで紹介されていた作品の要である(っぽい)エルフ(なのかな?)も登場し、これからの展開が楽しみです。