サルとタヌキとアルパカの妙にリアルな珍道中!!

動物たちがある目的のために旅をするとなると、桃太郎やブレーメンの音楽隊なんかが有名ですよね。
それを現代+アルパカという強烈な縛りの中でやっている本作品。
なかなかに書き手としては腕を問われる条件です。
しかしそこは作者さん、スピンオフ元のギャグ作品で培った腕をふんだんにふるって、見事に書きこなしているかなかなかの快作です。

なんといっても本作の最大の特徴は、作中で出てくる動物たちの思考や物・捉え方でしょう。
サルといえば人間から物を奪うもの。しかしながら、我々人間には理解できませんが、そこには彼らなりの考え方があるのです。

アルパカというとなんともファンシーなイメージがありますが、書かれている彼らのやり取りは、ともするとファンシーというよりリアルより。多角的なものの見方というのを考えさせられます。
こういう、少し変わった視点で物事を語れるというのは、なかなかやろうと思ってできるものではありません。

素晴らしい。

スピンオフ元の「我輩は暮田伝衛門(グレーターデーモン)である」でも、同時進行&別視点で話が展開しているあたりも、実に心憎い演出です。
ファンシーと思って侮るなかれ。
おすすめです。

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