概要
わたしがそう思ったように、そう思うべきことを、社会に思わされる世界。
人の精神を制御する〈言葉〉によって統制を受ける社会。その社会から自由を取り返そうと、自らの物語で社会に抗う弐島ヨクト。自由意志とはなにか。言葉とはなにか。ヨクトは自由を取り戻すことができるのか。(本作ではジョージ・オーウェルの『一九八四年』の内容に多少触れている部分があります。ネタバレはしていません。ただし、読んでいないよりは、読んでいる方が多少面白く読めるかもしれません)
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!思慮は罪と知るべし
〈カクヨム計劃トリビュート/〉に掲載された時点での感想です。
ジョージ・オーウェルの『1984年』を連想させる社会。
『虐殺器官』の後、『ハーモニー』とは異なる方向へ舵を切った世の中。
そんな印象を抱かせる物語です。
序盤は主人公による世界設定のお話。
このディストピアが如何にして運営されているのか語られますが、その設定に唸りました。
文章の注目度や好意度はパラメータとして管理され、内容の変化の度合いすら内容維持指数(CMI)として可視化されています。
そして、主人公はパラメータを操作することで政府の望む文章を生み出します。
注目度、好意度といったパラメータはまさにカクヨムのようなサー…続きを読む