アイヌ語がふんだんに使われるファンタジー小説。

 今までアイヌ語を用いられた作品は小説やゲーム、漫画など多岐にわたる。この作品もアイヌ語やアイヌの口頭伝承がふんだんに使われている、カクヨムでは珍しい作品だ。作者様は多くの文献を参考になさっているのだという事が分かる。ただ、アイヌ語が使われているとはいえ、ここは異世界ファンタジーだ。アイヌになかった国が存在し、主神が存在する。そして、カムイ(神)を使役して戦うようなハイファンタジーの要素もある。ファンタジー好きにはたまらない一作となっているので、ファンタジー好きな方は是非読んでみて下さい。
 ただ、アイヌ語のルビや世界観は、現実のアイヌの口頭伝承の内容などとはちょっと違っているので、そのまま鵜呑みにしないでほしい。この作品はあくまで、アイヌの世界観を踏まえたファンタジー小説である。もしも、もう少しアイヌの口頭伝承寄りだったら、星は三つつけたのですが、今後の展開に期待して今は二つにしておきました。

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