美しい文から、漂う気配が、
物語の醸し出す雰囲気が、
心地良く伝わります。
ミラルの魅力的な描写に、惹き込まれます。
彼から薫るもの・・*
どこか怖くもありながら、
知りたい気持ちが分かります。
何かを探しているのか・・*
夢の描写に、ウサギの言葉・・。
キリトの存在といい、
神秘的で惹かれます*
明らかになるエピソードに、
語りに、静かに、聞き入るような気持ちになります。
そして、驚きの展開。
父母たちの言葉が、心に残ります。
ミラルと、進むことができるのか・・。
キリトと共に。
荘厳な、セポの姿に、
鳥肌が立ちました。
神々しく、感動します。
ファンタジーよりも、現実的な
神聖な力を感じます。
狼神のことも、感慨深く。
信仰すること、信じること。
カムイの戦いに、ドキドキします*
信仰と決意。
正義とは・・*
深く考えさせられます。
今までアイヌ語を用いられた作品は小説やゲーム、漫画など多岐にわたる。この作品もアイヌ語やアイヌの口頭伝承がふんだんに使われている、カクヨムでは珍しい作品だ。作者様は多くの文献を参考になさっているのだという事が分かる。ただ、アイヌ語が使われているとはいえ、ここは異世界ファンタジーだ。アイヌになかった国が存在し、主神が存在する。そして、カムイ(神)を使役して戦うようなハイファンタジーの要素もある。ファンタジー好きにはたまらない一作となっているので、ファンタジー好きな方は是非読んでみて下さい。
ただ、アイヌ語のルビや世界観は、現実のアイヌの口頭伝承の内容などとはちょっと違っているので、そのまま鵜呑みにしないでほしい。この作品はあくまで、アイヌの世界観を踏まえたファンタジー小説である。もしも、もう少しアイヌの口頭伝承寄りだったら、星は三つつけたのですが、今後の展開に期待して今は二つにしておきました。