店員さんに優しさと愛を。

スーパーのお惣菜部門で働くアラサー女子・黒崎瞳と、そこへ突然パートとして入ってきたイケメン男子・稲葉花月を中心とした、日常系コメディ物語。

口うるさいワガママなお局さん、無茶な注文を言ってくる客、そして頭を悩ます値引きのタイミング……そんなお惣菜店員のあるある話に、イケメン同僚が絡んで恋愛話を盛り込んでいるあたり、ただ仕事で苦労するだけの話で終わらせていません。
主人公の黒崎さんは自分に自信が持てない性格ですが、それゆえに稲葉君との絶妙な距離感が読んでいて楽しかったです。

とは言え、基本はお仕事モノ。今作を読み終えた後、きっと誰もが「お惣菜コーナーの店員さんに優しくしよう」と思うことでしょう。
少なくとも値引きシールが貼られなくて「なんでこれは安くならないんだよ!?」と文句をつけたり、「お寿司の卵ネタを鮪に変えろ!」とか無茶を言う人はいないはず。

こういう作品がどんどん増えて、お客も店員さんに優しく接するのが当たり前の時代が来たらいいなと、店頭で働くこともある身としては願わずにはいられません。


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