つらい。つらくて切ない。でも誇らしかった。

真鍋マグは結局、すごいヒーローではなくて「反重力種」の力という戦場に立つ最低限の資格を手に入れることが出来ただけのただの若者だった。

「飛獣」という攻撃してくる理由もわからない理不尽そのものに対して対空警邏の若者たちが各々の決断をして行動するまでの描写が本当に丁寧かつ繊細で胸を打つ。

やがてくる絶望を前にしてただの若者でしかなかったマグが物語の終わりまで苦しみ、抗い続ける姿を見て、なんだか誇らしい気持ちになりました。

この物語を読み終えて最後にマグにかけてやりたくなった言葉は
「お前のような目には遭いたくないけどお前のような生き方のできる人間になりたい」です。

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