蒼穹を舞うモノクローム

地面に落ちない限りほぼ不死身の身体に致命的な火力を搭載した異世界の怪物『飛獣』を相手取り、街と人命を守る為『反重力種』と呼ばれる飛行能力を得た新人類によって構成された部隊ーー『対空警邏』の面々が死闘を繰り広げる物語。

全体の世界観や筆致からは冷たく硬質な雰囲気が滲む。
乾き切ったような世界の中で、主人公である真鍋マグの独白は明確な色彩を持っている。
それは受験に失敗した何も持たない若者である彼が得ていく物、失っていく物に対する感情の色である。

蒼穹を飛ぶ白い飛獣、黒い隊服と武器を纏う対空警邏。モノクロームを想わせるコントラストに、稀に交わる赤。
視覚的に、あるいは心情的に、白いキャンバスに点描を打っていく様を連想する。
最終的にその絵がとのような仕上がりになるのかは定かで無いが、その完成を見届けたい。そのように思わせる作品だ。

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エア・ウォーカー

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