第十九話 <既読>にならない
ギルドラの
【緊急メンテナンスのお詫び
サーバトラブルに対応するため
2019/09/18 17:00頃から22:58頃まで、
緊急メンテナンスを実施させて頂きました。
メンテナンス中はご利用いただけず、
ご迷惑をおかけし、申し訳ございませんでした。
ご迷惑をおかけしたお詫びとしまして、
クリスタル 5個を進呈いたします。
今後とも、ギルドラをよろしくお願いします。
】
とメッセージが表示され、≪詫び石≫が配られた。≪詫び石≫とは、ゲームのシステムトラブル発生時にユーザにお詫びの品として配られる課金アイテム——ギルドラではクリスタル——のことを言う。
あの廃工場周辺で、いち
「サーバの、メンテとダウンは、ネットの華ってね」
と
「ま、そんな荒れたところで
俺は、淡々とポイントを稼ぐ
<マルチプレイやろうぜ>
まぁ、付き合ってやっても良いかと
<やろうか。ゲーム立てる?>
と聞く。
<いや、もうゲーム立ててるからこっち繋げよ>と宇陀川。
俺は、ギルドラの【マルチプレイ】から、【友だちのゲーム】をタップ。≪UDA≫こと宇陀川のゲームを
「おう」「うす」と、宇陀川と
「うっす。あれ
「なんかあいつ、LINEも<
「……寝てるのか?」と毒島が言う。
「まぁ、来ないヤツは仕方ない。
「こんなとこにしとくか」と宇陀川。
「うむ」「そうだね」と毒島、俺が応じる。
その日のマルチプレイはそれで
「あれ?
俺は、言った。
「あぁ、そうだな」
「
と宇陀川の脇で、所在無げに立っている毒島が言う。
「なんでだろうね?」
と俺が言うと、宇陀川のケータイが鳴った。音声着信だ。
宇陀川はケータイを手に
「知らん
と言って
「ん?はい……そうです。宇陀川です。はい……」
と丁寧に
「ちょっと、わからないです。僕も連絡取れなくて。はい。はい、
言うと宇陀川は電話を切った。
「誰だったの?」
と俺が聞くと
「うん……蛭田の親だ」
「何だって?」
「家にもいないみたいだ」
「……それって、つまり
「そう……なるかな」
宇陀川は、どういう
俺にも何か嫌な胸騒ぎがある。
「そうか……」
と
少しして、毒島の電話も鳴る。かけてきたのは蛭田の親だった。
「はい……わかりません。はい……」
と毒島が電話を切る。
蛭田の
そのまま彼の行方はわからず、その日の
生け贄ガチャを回すとき…… 石丸慎 @isi
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