可憐な王子と彼を取り巻く個性豊かなキャラクター達の愉快でいとおしい日々
- ★★★ Excellent!!!
北方の小国の王子・アドルバードは、へたれでシスコンで想い人よりも身長がちょっぴり低い正真正銘のオトコノコ。
なのに、最強で最恐な妹姫リノルアースの策略により、妹姫の替え玉として大国アルシザスを訪れなければならなくなってしまう――もちろん、女として。
そんな不憫を絵に描いた王子(?)さまの受難の日々、開幕。
コミカルにテンポよく進んでいくお話は、いつの間にか時間を忘れて読み耽ってしまうこと請け合いです。
アドルを取り巻くキャラクターのひとりひとりも、個性豊か。
彼に忠誠を誓う美貌の騎士に、これまたヘタレなリノルアースの子犬系騎士、女好きのクズと評判のアルシザス王。
おバカなやりとりをしつつも、時折その生まれや立場から切なさを滲ませるキャラクターたちの恋模様を思わず応援したくなってしまいます。
(私の推しはだれがなんといおうと、アルシザス王です! がんばれ負けるな陛下! THE☆ヘタレ!)
不憫でへたれで身長も王位継承者としての資質も発展途上ながら、人たらしの片鱗を見せるアドルのこれからが楽しみでなりません。
だれかがだれかを想いあう、いとおしくやさしい物語。ぜひ、ご一読を。