人類が滅亡するまで、あと何分? 止めるのは誰だ!? 

冒頭の無差別攻撃から始まる、抑え切れない負の感情の悲劇。
そして東京から始まる、ちょっとした事件。
そのふたつが思わぬ関係性を見せて絡み合っていく様子が面白く、特に後半の『へぇ、当たった。それなら今、俺、乗ってるよ』のセリフには鳥肌が立った。
ややタイトルの部分に辿り着くまでの流れが長いようにも思うが、13万字という文字数を全く感じさせない、ぐいぐいと読者を作品に惹きつける力はお見事の一言に尽きる。

また、エンタメ作品でありながらも、作中や追記にて書かれているように、敗戦からの復興を果たした日本は今の時代にこそ担うべき役割があるのではないかという問い掛けには考えさせられるものがある。
人類の滅亡までの時間を示す「世界終末時計」なるものがあるが、その時間を止めることが出来るのは、案外自分たちなのかもしれない。

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