大阪府池田市は私の街
@ikeda-koneko
第1話
私は池田という街をとても愛している。三十年ぐらい住んでいるだろうか。私は難病患者で、十二年前には人工呼吸器がつき、お葬式の相談をされていたほどである。その私が、元気になることができたのは、池田という、やさしくすばらしい街のおかげである。人工呼吸器がついて、肺が少し悪くなった私は、歩くことができなくなっていた。そこで、私は池田の街を散策してリハビリを始めた。
駅前に住む私は、歩いて十分ほどの呉服神社へとリハビリに通ってみた。この呉服神社は、古事記・日本書紀に登場する、中国の呉の国から古代池田に織物と染色を伝えたクレハトリ(呉服・呉織)を祀った神社である。私が、今では、池田郷土史学会の会員になってしまうほど由緒ある歴史を持っている。
呉服神社(無料スポット)まで歩けるようになった私は、次に、伊居太神社(無料スポット)まで、さらにリハビリを進めた。この神社は、クレハトリと一緒に織物を伝えたアヤハトリ(穴織・漢織)を祀っている。少し坂を上らなければならないので、その頃の私には、クリアするのに努力が必要だった。
伊居太神社からもう少し坂を上ると、五月山公園(無料スポット)である。春になると、私はファイトを燃やして、すばらしい桜を見に行く。五月山といえば、桜の名所、風にハラハラと舞う桜の花びらの幻想的な美しさが魅了してくれる。
そこには、五月山動物園(無料スポット)があり、めずらしい動物がいる。オーストラリアから来たかわいいウォンバットやアルパカ、ワラビーは、池田の人気者である。
また、阪急池田駅前から、池田市役所方面に坂道を上っていくと、逸翁美術館(有料スポット)がある。この美術館の魅力は、人が少ないので、じっくり鑑賞することができ、案外といい作品を置いている。難病の私がちょっと出かけて行って、すばらしい美術作品と出会って、心身ともにリフレッシュできる場所である。池田の名士、小林一三氏は、すばらしい実業家で、元大臣であるが、この美術館の他、小林一三記念館(有料スポット)や池田文庫(無料スポット)など、池田にいい施設を残してくれた。宝塚歌劇は、ご存知の方も多いだろうが、小林一三氏によるものである。私が感銘を受けたのは、庶民が貧しかった頃、デパートの阪急食堂でライスだけを注文する人に福神漬けを付けてあげるようにしたような、小林一三氏には庶民へのあたたかい心遣いがあったことだ。
最近、私が毎週のように通っているのは、池田市の3R推進センターのエコミュージアムである。市民が要らないものを寄付し、それを販売することで、ゴミを減らし、その資金で、池田市内に太陽光発電を設置している。池田を環境にやさしい街にしようと市民みんなでがんばっている。
外国からの観光客が多いのは、インスタントラーメン発明記念館(無料スポット)である。安藤百福氏が池田市で発明した、世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」は、今では世界の食文化になっているが、ここで、自分だけのオリジナルのインスタントラーメンを作って(有料300円)、私も楽しんでいる。
春は五月山の桜、夏といえば、池田の伝統行事、がんがら火祭りだ。若者たちのかつぐ大松明や五月山の文字火、子供松明がすばらしく、松明をかかえた行列について歩くと、どんなに楽しいことか。
そして、池田城跡公園(無料スポット)まで歩いて行くと、展望舎があり、大阪が見渡せる、なかなかのスポットである。ご紹介しているスポットは、無料か、安いスポットなので、私も気軽に通うことができている。
さらに、池田には、国登録有形文化財が5ヶ所あり、散策しながら街並みを楽しむことができるので、私のリハビリにずいぶんとはずみがついた。
さらに、栄町商店街を通り抜け、落語ミュージアム(無料スポット)に行くと、池田の名前が入った落語の紹介がされている。池田は、歴史がいっぱいなのである。上方落語の「池田の猪買い」にちなんで、猪肉を使ったメニューを池田の飲食店では楽しむことができる。猪肉を使ったお好み焼きは、たいへんおいしかった。
ご紹介した名所は、すべて阪急池田駅から歩いて三十分以内の場所にある。難病の私でも楽しめて、ちょっとした国際交流をすることができる。いろいろな国の方々が池田に遊びに来てくださるからだ。
池田市内には、もっともっとすばらしい名所がたくさんある。難病の私は、池田の街を散策し、時には、足をのばしてリハビリを続けている。池田は人にやさしい街である。旅行にいらした方は、気軽に、どこが池田の穴場の名所か尋ねていただきたい。相手は、リハビリでウロウロしている私かもしれない。
‘Nice to meet you! Let`s go together.'
さあ、ご一緒に池田の名所を散策しましょう!
大阪府池田市は私の街 @ikeda-koneko
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