魔王殺害計画(仮)

無意味な争いを嫌う魔王ヴェルグス・ヴォルクマイスターは暇を持て余していた。そんなヴェルグスを見て四天王統括にして彼の妹であるイヴァリス・ヴォルクマイスターは先日オープンしたばかりのカジノで交換した景品の小さな箱をプレゼントする。ヴェルグスは妹のプレゼントに喜び、一日の業務も終わりを告げてベッドでいざ開けてみようとするが、これが開かない。力任せに開けてもよかったのだが、せっかくの妹のプレゼントを壊してしまうのも悪いと思い、ヴェルグスは一旦小さな箱を枕の横に置いて眠りについた。

翌日、彼はホコリ臭い見知らぬ貧相な部屋で目を覚ます。そして部屋にあった姿鏡で自分を映すと、そこにはいかにも田舎に住む特徴のない至って平凡な青年が口をあんぐりと開けていたのであった。

これは魔王であった彼が人間世界を旅…続きを読む