軽快なネクロフィリアの物語

ネクロフィリアを患う勇者の物語です。生物を物体に変えることに執着する変質的な主人公なのに、凄惨な印象もなく軽快な読み味で描ききっているのは作者の文章力のたまものでしょう。
また、足しすぎず引きすぎない5000文字以内で書かれた物語は、構成の巧みさでぐいぐいと読者を引っ張ります。
全ての屍体愛を放出して迎えたエンディング。しかし性癖はそう簡単に洗い落ちないもの…。わずかな狂気を含んで降りた幕に、こちらもシニカルな笑いがこみ上げてきそうになりました。

その他のおすすめレビュー

細茅ゆきさんの他のおすすめレビュー18