0年代を彷彿させる、王道の異世界バトルライトノベル!

――最初に読んで感じるものは、〝面白い〟、そして〝懐かしさ〟でした。

ライトノベルがまだライトノベルと呼ばれつつ、言葉が浸透しきっていなかった2000~2005年頃のライトノベルを思い起こさせる異世界バトルもの。

異世界の国の片隅で、ゴミ溜めのような街で生きていた主人公の前に突如現れた女の子。その子を助けるために、主人公が困難に挑み奔走する――最近ではめっきり見なくなった作風であり、ネットラノベによくある〝最初から最後までチートして苦戦することなく敵を圧倒していく〟なんてことはせず、むしろ全力出しても勝てなさそうな敵がごろごろいて、そんな相手にリスク承知で挑んでいく――これだよ、これこそが自分が読んできたラノベの姿だよ、自分が読みたかった作品だ! と強く思わせてくれました。

練られた世界観、武器の名前やそれぞれの特性、個性豊かな登場人物に、痛快で緻密な戦闘描写も見事なものです。

もうおれTUEE!麦価している作品に飽き飽きしている読者の方々、是非目を通してはいかがでしょうか。

拝啓、ゴミ捨て場にて――この一文は、ある意味読み手である私たちへ向けられているのかもしれませんよ。

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