ヴィクトリア朝時代のロンドンが見事に描かれた良作。

読み始めたら最後、一気に引き込まれ最後まで読み切りました。
読み終わった後「あれ、もう読み終わった! 続きないの!」と本気で思ったほど。

ヴィクトリア朝のロンドンの街並み・区画・情景・ロンドン事情など、事細かに描写されていて思わず感嘆の吐息を吐く。

まるで当時のロンドンを生きた作家が書いたのではと思ったくらいです。
だからと言って決してお堅いお話というわけではなく、登場人物は生き生きしていて、会話のテンポなど読んでいて楽しいです。ライトノベルというより、ライト文芸の領分かも。

ホープとアンネの掛け合いがとても好きです。もっと二人の話、見ていたい。

ヴィクトリア朝ロンドンの世界をしっかりと味わいたいと思われたら、一読してみる価値はあると思います。

一つ難点があるとすれば、行間などがしっかりと詰まっているので、会話のところだけでも一行開けると、横文字表記のネットだと読みやすくなるかと。