ヴィクトリア朝のロンドンで銃使いはどのように生きれば正解か?

作者 砂夜

61

23人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★ Very Good!!

 ヴィクトリア朝のロンドンを舞台にしたこの物語は、その舞台設定からして魅力に溢れている。些細な描写一つとっても入念に下調べされており、その細部への惜しみない努力が、ただの文字を、本物のロンドンに変貌させている。

 キャラもいい。ヒロインのアンネは天真爛漫で、見ているだけで面白いキャラに立っている。その対比となる主人公ホープも、落ち着きの中に人情味がにじみ出ていて、愛おしい。

 最後、大きな波とカタルシスがどっと押し寄せ、感嘆の息を漏らさずにはいられない。

 硬すぎず柔らかすぎない文体はスルスルと頭に入っていき、あっという間に読了してしまうだろう。

 銃器への愛着が強いであろう、そこだけ少し描写が重たくなってしまうきらいがあるけれど、そういった人が読むのであれば問題ないだろう。なにせタイトルからして『銃』なのだから。

 ロンドン、銃、ウナギのゼリー寄せ、軽妙な語り――こういったものを好む読者ならば、間違いなく一読の価値がある作品だ。 

★★★ Excellent!!!

ロンドン、私立探偵、殺人事件、蒸気機関……。19世紀イギリスというものを圧縮したような世界で、繰り広げられるハードボイルドストーリです。ダークヒーロー感のある主人公のホープも良いですが、なんといってもヒロインのアンネが可愛い!天真爛漫で男勝り、それでいてミステリアスな一面を見せる彼女は、愛嬌とたくましさを合わせ持つ素晴らしい美少女でした。

生ガキ、フィッシュアンドチップス、塩辛いウナギの燻製といったブランデーに合いそうな、イギリス流魚介類グルメの描写も印象的な作品です。

★★★ Excellent!!!

読み始めたら最後、一気に引き込まれ最後まで読み切りました。
読み終わった後「あれ、もう読み終わった! 続きないの!」と本気で思ったほど。

ヴィクトリア朝のロンドンの街並み・区画・情景・ロンドン事情など、事細かに描写されていて思わず感嘆の吐息を吐く。

まるで当時のロンドンを生きた作家が書いたのではと思ったくらいです。
だからと言って決してお堅いお話というわけではなく、登場人物は生き生きしていて、会話のテンポなど読んでいて楽しいです。ライトノベルというより、ライト文芸の領分かも。

ホープとアンネの掛け合いがとても好きです。もっと二人の話、見ていたい。

ヴィクトリア朝ロンドンの世界をしっかりと味わいたいと思われたら、一読してみる価値はあると思います。

一つ難点があるとすれば、行間などがしっかりと詰まっているので、会話のところだけでも一行開けると、横文字表記のネットだと読みやすくなるかと。