得体の知れないもの、その正体は

言葉、文字というものの使い方に圧倒されました。まずはタイトルから、穏やかに滑り出す物語の序盤から、ルビの振り方や『』、読みながらカタカタと得体の知れない誰かのタイピングが目に浮かぶようでした。

得体の知れない誰かに背中を預けている、人々の営み。その中に確かに存在する空白の闇。エンデのネバーエンディング・ストーリーでは世界を襲うのは虚無だった。

在る事よりも、失い事のほうが、きっとずっと恐ろしい。

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