私が語りたい静岡にまつわるお話といったらこれしかないのですが

毛賀不可思議

静岡に産まれし者の宿命

「またキテ◯ツかよ!!!! いい加減にしろ!!!」


幼き私たちは画面に向かって怒りの雄叫びをあげていたものだった。













静岡県


その名を聞いた時、皆さんはどんなイメージを抱くだろうか。


お茶、富士山、プラモ……ソーシャルゲーム御用達の木花開耶姫を祀っているのも静岡だ。


名産、歴史、自然。

どこをとっても他県に誇れるものが存在するというのは、県民にとってさぞ鼻が高いことだろう。


ところが静岡県には唯一、他県に揺るぎない敗北を喫し続けているものがある。

そしてそれの放つネタ性こそが静岡の最大の魅力ではないかと私は密に考えている。




静岡は…………


アニメ不毛の地なのである。



時に諸兄らは週何本の深夜アニメを観ているだろうか。

全部観ているという猛者もいれば、好きなヤツ1本しか観ていないという非オタ主張兄貴もいることだろう。


ではここで静岡の2010年秋〜2011年夏にかけた約1年の間の、静岡の深夜アニメ放送数を紹介しよう。










ゼ〜〜〜〜ロ〜〜〜〜〜〜!!!(newsz◯ro風)


ゼロでした。

君たちはあるだろうか? 選ぶも何も『そもそも観れない』という苦境に立ったことが!


では何故そんなことが起こり得るのか?

そもそも静岡にはMXもTVKもテレ玉も中京テレビもテレ東も入ってこない。これが問題だ。

BSアンテナを突き刺すことが叶えば、BS11だけは静岡県民に微笑んでくれる。

が、それでも週に深夜アニメが2~3本観れるかどうかだし、何よりも本来の放送と1週遅れての放送になるのだが……。


しかし考えてみればおかしな話だ。

神奈川と愛知という高域放送圏に挟まれた形で位置するはずの静岡が、どうしてこんな不遇を託つ目に遭わなくてはいけないのだろうか。陰謀めいたものすら感じる。


深夜アニメを完全に封殺されたとはいえ、他の時間帯に放送されるアニメを観ることは一応は可能だ。日朝はちゃんと観れるし、辛うじてゴールデンタイムのアニメも視聴可能だ。

(……これは憶測に過ぎないが、静岡の偉い人々は深夜に放送されるアニメは須らくエロアニメか何かと勘違いしているのではなかろうか)


しかしそんなほのぼのアニメだけでは、思春期の多感な少年少女たちには余りに刺激が足りないのは言わずもがな。

が、安心してほしい。静岡は最後の良心として、刺激を求めるヤングたちに憩いの場を用意してくれていたぞ!


これこそが、『夕方17時アニメ』である!

他県の諸兄には聞きなれない言葉かもしれないが、静岡には平日17時〜17時半、17時半〜18時の間にのみテレ静にてアニメの視聴が許されるマジックアワーが存在するのである。(NHKのことじゃないよ)


この通称『夕方枠』こそ、一定の放送周期で数々の名作アニメを代わる代わる見せてくれる、我ら最大のロマン枠なのだ。

古いものはフラン◯ースの犬、母をたずねて三◯里、ガ◯バの大冒険など平成のアニメっ子にはレアなラインナップ。

比較的新しいもので言えば幽◯遊◯白書、ハンター◯ハンター、運が良ければデジモンアドベ◯チャーからテイ◯ーズまで一気に放送してくれるエキサイティングな放送期に当たることも稀にある。


そのため、一つのアニメが終盤に近づくと『次は一体どのアニメだ!?』と我々はソワソワし始める。この転換期こそ醍醐味と言って過言ではない。


しかし……世の中そんなにうまい話はないというか、大人の事情がどう渦巻いてるのかは分からないのだが…………うーん……。








まあ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!

とにかく『こ◯亀』『ちびま◯子』『キテ◯ツ』ばっっっっか放送しやがる!!!!!


皆さんにはあるだろうか!? 

朝の会で歌う歌で、こ◯亀のOPを提案するヤツに出会った経験が! 

ちびま◯子のED、それも西城秀樹の曲がクラスで流行った経験が!! 

ブタゴリラの『お前は日本のころんだブタだ!』という迷言にツッコむトンガリの『コロンブスでしょ?↑』のモノマネブームが巻き起こる瞬間に立ち会った経験が!!


TOKIOが唯一手がけたアニソンがキテ◯ツのEDテーマだということを知ってるのは静岡県民だけだろ!!(なお、TOKIO自身も忘れていた模様)




しかも奴らはその頻度だけに飽き足らず、出現のタイミングさえ一際悪質!!

タ◯チで名言として名高い『上杉達也は、浅倉南を〜』のくだりが放送される1話前でキテ◯ツが始まったりするのだ! 最終回のインターセプトだ!! これはもう完全にアニメに一切の関心を抱いていない鬼畜人間の所業だと断言せざるを得ない!!


比較的再放送回数が多いワン◯ースだって、何度アラバスタ編で強制終了を繰り返したか!!

静岡県の世界線では尾田栄一郎はアラバスタ編でこ◯亀の威光に負けて打ち切りされる運命を繰り返し続けているのだ! そして何カ月かすると、またシャンクスのくだりからワン◯ースが始まったりする!

余談だが私はこれを『偉大なる海からの帰還(レッドライン送り)』と勝手に呼ぼうと思っているが、まあ別にいいわそれは。



ところで最近、こ◯亀が堂々最終回を迎えたということで、一番特別な感情を抱いたのはある種静岡県民であるとも言えるだろう。

最悪の宿敵であり、最高の親友でもあったこ◯亀。きっと彼らの中で色々な思いが交錯したはずだ。


このニュースに伴って1話限りの復活を果たした特別アニメに対しても、『懐かしい!』と世間が歓喜する中『またこ◯亀かよ!!』という思いを抱いたのは静岡県民くらいであろう…………が。




同時に心の中では一番の賛辞を送っているのも静岡県民なのかもしれない…………。


























話は変わるが2015年4月、平日15時50分から19時にかけて『みんなのニ◯ース』の放送が始まった。勿論それは静岡においても例には漏れない。


それに伴って2016年10月現在、全ての子供たちの希望、夕方枠は完全に消滅してしまっているという『単なる事実』をお伝えしたところで、締めくくらせて頂きたいと思う。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援した人

応援すると応援コメントも書けます

私が語りたい静岡にまつわるお話といったらこれしかないのですが 毛賀不可思議 @kegafukawa

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

ビューワー設定

文字サイズ

背景色

フォント

一部のAndroid端末では
フォント設定が反映されません。

応援の気持ちを届けよう

カクヨムに登録すると作者に思いを届けられます。ぜひ応援してください。

アカウントをお持ちの方はログイン

フォロー機能を活用しよう

カクヨムに登録して、気になる小説の更新を逃さずチェック!

アカウントをお持ちの方はログイン

フォロー機能を活用しよう

カクヨムに登録して、お気に入り作者の活動を追いかけよう!