人類にとっての科学とは?天才少年たちが力を合わせて未来を解き明かす!

科学が発展したら、この世界はどう変わっていくのか。
この作品は、実に様々な可能性を示してくれます。

そう遠くない時代に訪れる、AIによる管理社会。
仮想世界の発達により、人間の肉体そのものが徐々に意味を失い始めています。
過度にAI化が進めば、いずれは何をもって「これは人類の領域である」と判断すべきか、わからなくなってしまう。
そんな中、社会の歪さに気づいたのが六人の天才少年少女たち。
一人の博士のもとに研究チームとなった彼らは、類稀なるチームワークを発揮して、様々な角度から課題に取り組んでいきます。

本作の特徴は、「時の軌跡」編と「霧の軌跡」編とで同じ時間・同じ出来事をたどっているにも関わらず、主人公が交代することにより見え方がガラッと変わること。
そのおかげで、少し難解に思える事案も多角的にじっくりと飲み込むことができます。
といっても、全体的にコメディも交えながらわかりやすく進めてくれますので、私のようなSFにあまり強くない読者も、ふむふむと楽しく読み進められます。

人類は、AIを、科学を、この先どのような方向に進めるべきか?
この深いテーマは、考え出したらきりがありません。
たくさんの可能性を提示し、たくさんのことを考えさせてくれる作品です。
少年少女たちも、みんな天才でありながらとても可愛らしく、心から応援したくなりますよ♬

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