ありがとうございます。

幻想的で美しい、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」。わたくしは読むたびに、胸に石ころを押し込まれたようにつらかった。はっきり言えば嫌いだった。なにをどう、ごまかしても、「名作劇場」じみた結末に反感に似たものを抱かざるを得なかった。

そこがよい、という方は多いだろう。わたくしは耐えられない。怒りさえ覚える。

だけど、グリムノーツで本気で泣けるとは、夢にも思わなかった。
愛は祈りに似ている。登場人物たちの愛は神に届いた……本作はそういう奇跡の物語だったと思う。長年のわだかまり、重いおもしを感動に変えてくれた真のストーリーテラーに感謝を述べたい。

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