池に沈んだ二人の真実

 水神がすまう池にまつわる、哀しく寂しい空気に縁取られた作品です。水神の生贄に選ばれてしまった娘、彼女を想う男、池に佇む不思議な少年、そしてもう一人。それぞれが哀しみを抱え、生と死の狭間に立った先に見出した結論は何だったのか。無駄に感情を煽らず、淡々と場面の展開で引き込でいっているのがいいな、思いました。

 願わくば、池に沈んだあの二人に幸あれ……。