第6話
学校に行くと、友達が心理テストの特集の組まれた雑誌を持ってきていた。
「ゆみもやろうよ」
私も同じ雑誌を持っているけれど、内緒だ。
「うん。やる!おもしろそうだね」
友達に言われたとおりに目を閉じる。
「青くてきれいな、きれいな海です。」
私は、美しい砂浜にいると想像する。
「砂浜に貝殻が落ちていました。あなたは思い出に持って帰ろうと、貝殻を拾います。それはどんな貝ですか?」
夏の終わり、思い出に貝殻を。
どこまでも青い空、
青い海、
白い砂浜。
今、本物は金髪なのに、黒髪の頃のシンさんがそこにいる。
私の中だけで起きて、
そして終わった、ひと夏の恋。
想像の中で、手にした貝殻は、見栄えのする、突起の多い貝殻だった。
私は、
激しい恋をしたのだ。
終
貝がら ひらゆき @hirayuki
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